DRADNATS 4th full album [ONE HiT TO THE BODY ] 2018.03.07.wed In Stores!! Code: PZCA-82 / Price: 2,500yen(+tax)

Interview vol.03

-- あと、今作のラスト2曲「Peace For Granted」~「Tomorrow Wont Be Another Today」の流れも好きなんですよ。ジャーニー感が漂う締め括りで作品のトータル性をグッと高めているなと。

YAMAKEN 最後の2曲に関しては・・・「Peace For Granted」は完全に遅い曲じゃないですか。アルバム用に聴かせる曲を作ろうと思って、アコギにするか、ゆったりした曲にしようと。最後の曲(「Tomorrow Wont Be Another Today」)は前半に持ってこようかなと思ったけど、レーベルの人から最後で良くない?と言われて。あっ、ハマるなあと思ったんですよ。最初はそんなにエンディング曲じゃないと思ってたんで、イントロもパンチがあるし・・・。

-- イントロはメロディック・パンクっぽいけど、ストーリー性のある曲調ですもんね。

YAMAKEN 確かにサビメロは壮大ですからね。

-- 「Peace For Granted」はアコギを入れたスロー・ナンバーですけど、歌メロがまた最高ですね。

YAMAKEN どちらかと言えば、ポップスというか、こういう曲を書く方が得意ですね。

KIKUO コード少なめでゆっくり聴ける曲が欲しいね、という話になって。スッと入ってくるメロディですよね。歌っても気持ちいいですからね。

YAMAKEN こういう曲はKIKUOの声に合うんですよね。

-- こういう曲を作れるのもDRADNATSの強味だなと。

YAMAKEN それは俺も思いますね。激しいだけじゃない部分も出せますからね。

KIKUO この曲は一番難しかったですね、特にAメロの雰囲気は。

YAMAKEN メロディに関しては絶対的な自信を持っているので、そのメロを良く聴かせるために、どういうイントロを付けて、どういうアレンジにするかに時間をかけますからね。あと、今回こだわったのはサビはいままでのDRADNATSでいいと思ってて。でもAメロはわざと洋楽っぽくしたんですよ。向こうの人はリズムの録り方が表じゃなく、裏で取るじゃないですか。NOFXを聴いても音符の配置が日本人と違うんですよね。平歌(*メロディの最初からサビまでのこと)は洋楽っぽくして、サビはザ・DRADNATSにしようと。それはどの曲に入れてますね。

-- それを意識したのはなぜですか?

YAMAKEN いままでありそうでなかったし、洋楽っぽさや日本人がやるメロディック・パンクっぽさも出るから、その融合ができたと思います。Jポップ感も・・・英語なのであまり出ないけど、Jポップとして打ち出してもおかしくないメロディとロックな感じをちゃんと入れられたなと。いままではそこまで狙ってやってなかったけど、今回はガチガチでやりました。改めて洋楽の良さにもたくさん気付いたし、なぜ洋楽はかっこいいんだろう?ってツッコんで考えたから。それが曲作りにも活かされましたね。

-- 今回の歌詞に関してはやはり4年を経たからなのか、また変わりましたね?

KIKUO そうですね。自分のひねくれた部分も書きたいと思ったけど、今回は伝わりやすい英語を優先したくて。「Standing」、「Tonight」とか聴いてパッと連想できる英語を盛り込んだ方がいいかなと。「Time To Go」もそうですけど、曲名だけですぐ解釈できるものにした方が一緒に歌いやすいと思うから。以前は日本語の歌詞を優先して、難しい英語や譜割にしてましたからね。わかりやすい歌詞が増えたと思いますね。

-- 歌詞の内容はどうですか?

KIKUO 日本語詞の曲は好きなんですけど、自分でそれを歌ったら吹いて死んじゃうと思うんですよ(笑)。でも鳥肌が立つようなロマンス的な歌詞も好きだから、今回は背伸びして書いてみようかなと。「Get Me Back」は男女の話というか・・・。

-- ラブソングっぽい内容なのかなと思いました。

KIKUO そうですね。

YAMAKEN ウチらいままでラヴソングはないもんね。

KIKUO 前作のアコギ曲(「My Very First Love」)もラヴソングだけど、ひねくれて書いてますからね。結局、うまくいかなかったというオチが付いてるから。だけど、今回はそこに一度挑戦しようと。

-- 「どんなに君が悲しい顔してても、何も言わずにずっと側にいるから」(「Get Me Back」)の歌詞とか優しさに溢れてますよね。

YAMAKEN キモいっすけどね。

KIKUO 30歳過ぎたおっさんが歌ってもと思うけど(笑)、そういう歌詞も聴いて育ってますからね。自分の性格とは真逆の歌詞に挑戦してみました。

-- 全体的には友達に贈る手紙みたいな内容が多くて、「No More Tears」とかそうですよね。

KIKUO 根本がヒネクレているんで、付いて来いよ!とは言えないけど。応援歌までいかないけど、背中を押せる内容にしようと。誰かに対する手紙みたいな感じはあるかもしれないですね。

YAMAKEN 前作は対・自分という内容が多かった気がする。今回をそれを経た上で・・・みたいな印象が強いかな。歳取ったんだよ?

KIKUO そうっすねえ。かもしれないです(笑)。今回は伝えたいという気持ちの方が強くなったのかもしれないですね。「Dance With Me」も書いてて、一番楽しかったですね。男の子が女の子に俺のロック・ナンバーを聴いてよってアプローチするけど、女の子は別に興味なくて、いい反応をしてくれない。でも君に対するベストな曲なんだよ!って、その光景を書くのが楽しくて。

-- 「What Is True Freedom?」の「向かった先に何もなくても。僕は歩き続けるって決めたんだ。」の歌詞には覚悟が漲っているなと。

KIKUO そこはドラムも替わって、一致団結して進んでいくという意思表示が出ているのかもしれないですね。

YAMAKEN 今は自分たちがかっこいいと思ったことを突き詰めた先に、たくさんの人がいてくれたら、それがベストだなと。いい意味でヘンに夢を追わなくなりましたね。夢なんて無責任な言葉だし、寝てるときに見ればいいものだと思ってるから。夢というより、自分の理想や目標をどんどん叶えていきたいですね。

Interview By 荒金良介