-- そんな時期を経て、新体制で動き初めてからも、曲作りはずっと続けていたんですよね?
YAMAKEN 時系列で言うと、前作のファイナルが終わった後に曲作りを始めて、12、13曲できたときに健さんに聴かせたら、全曲ナシにしようと言われたんですよ。「もっとパンクのマインドを入れた作品にしない?」と提案されて。それは面白いなと思って、その頃はトノがいたけど、その後すぐに抜けることが決まったので、それからまたすぐ曲を作り始めました。
-- 新たに曲作りを始めたときはどこにポイントを置きました?
YAMAKEN いままではコード感を大事にしてたんですよ。だから、パワーコードとかあまり使ってなくて、特殊なコードでいかに曲を色付けられるかを考えていたんですけど。それを一度置いて、グリーン・デイみたいにシンプルなパワーコードでガンガン押す方向に変えました。そしたら、すごく楽しかったんですよね。これこれ!って。
-- 健さんからもらった「パンク」というキーワードを踏まえて?
YAMAKEN そうですね。NOFX、ノー・ユーズ・フォー・ア・ネームとかシンプルだけど、奥深さもあるじゃないですか。メロディックの根底にあるものを突き詰めていくと、ロックンロール、カントリー、オールディーズに行き着いたんですよ。俺が好きだったメロディックの人たちは何を聴いていたのかなって、そこはめちゃくちゃ掘り下げました。グリーン・デイ、Hi-STANDARDを聴いてて、どうやったらこういう曲が作れるのかなって考えてましたからね。近くに健さんがいたので、いろいろ音楽を教えてもらったりして。
-- どの辺の音楽を聴いたんですか?
YAMAKEN クラッシュ、ローリング・ストーンズとかは全部聴きましたね。特にクラッシュは面白かったですね。あと、改めてストレイ・キャッツを聴いたり、カントリーでいいと思ったのはウィリー・ネルソンですね。ジョニー・キャッシュか、ウィリー・ネルソンか、どちらか聴いてみ?と健さんに言われて。ジョニー・キャッシュはいわゆるカントリーだけど、ウィリー・ネルソンはスウィートな感じのメロディが多くて、これはいいなと。
-- 改めて昔の音楽を掘り返して、どんな発見がありました?
YAMAKEN やっぱりみんなメロディがいい! 名曲ってかっこいいのは当たり前で、その上でとてつもなくキャッチーなんですよ。練って練っていい曲にしてるというより、ギターをジャーンと鳴らして、それ最高!みたいなノリなのかなって。オールディーズの人たちって、初期衝動最高!の集合体みたいな曲ばかりなんですよ。それと同時にシンプルかつキャッチーなメロディって、もう出尽くしているのかなと思って。60年代ぐらいにすべて完成されてて、後はそれをどうアレンジするみたいな。だから、どうしようと悩みました。