COUNTRY YARD Best Album [ Greatest Not Hits ] Release Interview

Interview Vol.03

-- 2016年にインタビューした時に、「解散も考えていた」って言っていて驚いた記憶があります。自主レーベル作って、新たな船出っていうタイミングだったから。

Miyamoto STEP UP RECORDS抜けて、自分たちでやろうかってなって、JMSのマネジメントがつく前に、ドラムが抜けたんですよね。じゃあ終わりだと。『COLORS』は作っていたんだっけ?

Sit 作っていたと思う。

Miyamoto それは出した方がいい、でも、そのあとはどうしようって。気持ち的にはこれ(『COLORS』リリースツアー)がラストツアーかもね、っていう気持ちでやっていた記憶はある。それが2016年。

Sit DAZE(Yamazaki)が入る前、Taiちゃん(Taihei)が抜けた時、上を目指している者と、別に上に行きたくない者がはっきりしていて、バンド内がギクシャクしていたから。俺は後者で、そういう目標って特になかったし。目標がないままずっとやっているから「やろうぜ」って言われても、「……頑張ってやろう」みたいな心境。自分が行きたいからそこに向かうわけじゃなくって、ケツを叩かれて「ああ……」みたいな。その中でTaiちゃんも、自分の人生を考えて辞めていったし、そのタイミングで俺も辞めたいと思ったし。そっからみんなで休みを設けた中で話をして、んー、もう一回やってみようかって。

-- 話を聞けば聞くほど、今、PIZZA OF DEATHに移籍して、バンドが前向きに進んでいることが、しみじみよかったなあと思うのですが……ここに至るまでに、何があったんでしょうか?

Sit そこに関してのことじゃないかもしれないけど、本当に、俺は音楽で食べていけなくてもよかったんです。でも、いろんな生活をしてきて、30代になって、好きな人もできて、母も年を取って、って考えた時に、バンドの4人で幸せになりたいし、音楽だけをやってみたいっていう気持ちが、ようやくバコっと出てきたんです。だからこそ、(横山)健さんに「何かあったら(PIZZAに)来いよ」って言ってもらった時、チャンスは今しかないって思ったんです。

Miyamoto あと、Shunちゃんが入って空気が変わったんですよね。俺が一番もっともっと(上へ)ってなっていたけど、Yamazakiが抜けたりTaiちゃんが抜けている時点で、そういう考えだけじゃなくなったっていうか。Yamazakiが抜けた原因は、多分俺に多くあると思うし。かっこいいことをやり続けるためには何が必要かって考え始めていて。そっからShunちゃんがサポートしてくれて――付き合いは長いんです、10年くらい。それからバンドが上に行くだけじゃない時間になったんですよね。Shunちゃんは、演奏面も嵌ったし、人間的に独特な空気感も持っているんで。そこからKEN BANDに(対バンを)誘われるまでの時間もよかったんです。結成10周年を迎えて、ワンマンツアーもShunちゃんが叩いてくれて。決して売れるためや、何かのためだけにバンドをやっているんじゃない意識も芽生え始めたというか。

Shunichi Taiちゃんが辞めた時にバンドがピンチだったのは知っていたけど、自分は自分のバンドをやっていたんで、どうすることもできず。ただ、心配はしていて。このバンドを止めてしまったら、日本の音楽シーンがヤバいんじゃないか!?って。そのあとに入ったドラム(Yamazaki)は、技術も申し分なくて、今までのCOUNTRY YARDにない渋さ、アーティスティックなところが出て、これはキたな、ああよかったなって思っていたら、すぐ辞めちゃって。なんだよ! ああ、やっぱり自分が叩いてみたいなあって思っていたんです。そうしたらサポートの話が来て、やったぜ!っていう。最初のサポートは岡山かな?

Miyamoto locofrankやHAWAIIAN6と一緒だった?

Hayato あれ、Shunちゃんだった?

Shunichi おいおいおい!(笑)。でも、やってみて気持ち良かったんです、単純に。音楽って……ドラムもそうですけど、こんなに楽しいんだなって。もう40になるんですけど、改めて思えた。バンドをやること自体も、さっき言った通り、ただやれればいい人もいれば、上に行きたい人もいて。そういうふうに、いろんな考えの人がいるのは当たり前。でも大前提として、バンド自体はチームで、家族みたいなもんだから、全員がわかり合えなくても、まとまってやっていける雰囲気を作る人が絶対に必要だと思う。それはメンバーだったり、スタッフだったり、周りの人だと思うんです。そういう感じで、サポートではありつつ、一緒に時間を過ごしていくうちに……ちょっとおこがましいですが、メンバーでいいんじゃない?俺って思ったんです。

Sit へえ~。

Hayato ウゼェ(笑)。

Shunichi (笑)。でも、自分のバンドもあったんで、すぐにどうこうはできなかったんですけど。今はみんなのおかげもあって、バンドの活動自体に意味を持たせられるような状況になってきたとは思いますね。自分自身も、この年になって、こういう環境にいられるのは、すごく嬉しい。バンドをやっている中で、自分の音楽人生の中で、今が一番楽しいです。