Interview Vol.02
-- そもそも、ドラマ仕立てのアイデアは、どこから生まれたんでしょう?
Sit 監督です。
RYOSUKE 俺も、任せるって言って。
Sit そのMVをもとに、出演していた少年たちのその後を観るために、映画を作ろうってなったんですよね。
Miyamoto そのテーマソングとして作ったのが“I’ll Be With You”。
Sit でも、当時って本当にパンクロックだったから、そんな自分にとって映画化とか「なんだこれ!?」みたいな。やらなきゃいけないことじゃないけど、やってる自分に歯がゆさがありましたね。まあ、少しつらい時期ではあったけど、あれがあったからいろんなものを取り入れられるようになったと思います。
-- 凝り固まったものを柔軟にできたんですね。でも、そのための刺激としては強かった。
Sit うん。あとはメンバー個々、思いはそれぞれだと思います。そんなに一致団結していた時期ではなかったから。ある者は、もっと上を目指したい。ある者は、別にそんなことやりたくないっていうふうに。
RYOSUKE その時期、ドラマーもいなかったしね。
-- RYOSUKEさんにとっても、映画と関わるなんて未知だったんじゃないんですか?
RYOSUKE やったことないから、それこそSit側の考えだったよね。パンクって言葉に収めちゃいけないけど、バンドマンとしてもFUCK YOU HEROESばっかりやっていた頃だったしさ。俺も凝り固まっていたけれど、鈴木の広げ方も面白いと思ったし。そもそもMV観ててさ、俺が「この子の引っ越した先はどうなったんだろうね?」って言ったら、鈴木が「続きを作っちゃいましょうよ」ってなったんだよ。監督もやりたいって言って。ただ、鈴木がちょい役で映画に出たかっただけじゃねーかとも思うんだけど(笑)。
-- こちらが思う以上に、JMSの影響が大きかったんですね。
Sit そうですね。
RYOSUKE そういうテコ入れをしないと、こういう感じでバンドをやってきている人たちだし、俺もバンドの意見を重んじちゃうから……挑戦していたよね。抵抗がある人(Sitを指す)、みんなが幸せであってほしい人(Hayatoを指す)、突き進みたい人(Miyamotoを指す)。それは、いいバランスだったとは思う。それに俺は、こういうやり方をしても、バンドの曲は負けないと思ったから、別にそれはいいんじゃね?みたいな。
Miyamoto そん時ぐらいから、メロディックでもないし、もっといろんなところに行ったり、いろんなことができるんじゃない?って言われ始めたんじゃないかな。だから”Starry Night“がいいんじゃないか?って推された時も、へえー、そうなんだって。
Sit 鈴木さんには、この時に一回チャンス逃しているって言われるんです。自分が「映画楽しいぜ! みんな広げようぜ!」ってなっていれば、もっと違ったんじゃないか?って。
Miyamoto ラジオに出るのとか、全部断ったからね。
Sit こういうのじゃない!って。今の自分に、そういう考えは全くないけど(笑)。まあ、その時に、自分の中で行きたい場所がはっきりしていたら、また違ったのかもしれない。でも、あの時期がああだったから、こういうことに気づけるし、今話せるとも思う。それに今“Starry Night”も、ただのポップソングになっていないから、俺たちの中で。いろんなことを振り返りながら演奏できるし、深みを増している気がします。
Vol.03へ続く...
Interview by 高橋美穂
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