COUNTRY YARD Best Album [ Greatest Not Hits ] Release Interview

Interview Vol.02

-- 改めて、STEP UP RECORDSに入ってよかったところって、どこでしたか?

Sit STEP UP にいたから、今めちゃくちゃ仲いいOVER ARM THROWにも会えたし、突然locofrankのツアーに誘ってもらうようなこともあるし。そういうふうに、自分たちのことを口コミで広げてくれる人や、ツアーに引っ張り出してくれた人と出会えたところですね。やっぱり、間違ってなかったんだなって思います。

Miyamoto 某メジャーレーベルは、今は他のメジャーレーベルでやっているバンドがいたところなんですよ。そのバンドを観ていた人が、声をかけてくれて。誘い文句に「サマソニ」とか「ランシド」とか「エピタフ」っていう名前も出ていたけど、その会社は結果すぐになくなったんです。あっぶねえー、って。声をかけてくれた人も、いい人だったけど、今どこにいるんだろう?って感じだもんね。

Sit いろんな海外のバンドと自分はつながりがあるから、対バンできるかもしれないよって言われたんだよね。だから若干悩んだんですけど、結局STEP UPに入って、しこたま海外のバンドともやれたんで。ここでよかったじゃん、って。

-- そこからのバンドの岐路を象徴する楽曲となると、やっぱり“Starry Night”ですよね(2012年リリース1stミニアルバム『Heart Island』収録)。この楽曲のMVはドラマ仕立てで、その続編として映画『眩しくて見えなかったから 長い瞬きを繰り返した』が制作されるという、かなり大規模なプロジェクトになりました。この展開を、当時のみなさん自身は、どう思っていたんでしょうか?

Sit そのへんから、JMSや、RYOSUKEさん以外の人たちがバンドに関わってくれるようになって。俺は正直、映画とか、ああいう流れに関しては、やりたいもやりたくないもなかったんですよ。こういう言い方はあれかもしれないけど、俺は音楽ができればよかったんで。やりたいもやりたくないもないけど、でもこれって何のためにやるんだろう?って。例えば、そのドラマ仕立てのMVだけじゃなく、ライブMVも作って、MVがふたつになるとか、自分たちが発信したことでそうなったわけじゃなかったし。バンドを楽しんではいたけど、奥の方では窮屈に感じていた時期だったかもしれないです。

-- “Starry Night”は大きなきっかけでしたけど、派生したところにバンドの意思はそこまでなかった、という?

Sit そうですね。むしろ、“Starry Night”がここまでフォーカスされるとは、曲を作っている時も思わなかったんです。

-- 「いい曲できたな」ぐらい?

Sit いや、そこまでの手応えもなかったよね。

Miyamoto うん。いい曲感もそんなになかった。

Sit だからこそ、戸惑ったというか。これなの!?って。

RYOSUKE そう。MVをこれにするって言った時も「“Starry Night”ですか!?って」。

Sit 俺的には“Don’t Worry,We Can Recover”だと思ったから。でも“Starry Night”がフォーカスされて、外の人たちが客観的に求めるものと、自分がいいと思うもののギャップを感じました。

RYOSUKE まず、『Heart Island』から(流通が)JMSになるところが、バンドにとってデカかったんだよ。そもそも、STEP UP RECORDSが10何年やってきた前の流通会社から熱を感じなくなっていて、どうしようかな?ってなっていた時で。その頃、COUNTRYはたしか(JMSが企画・制作する)「RED LINE」に誘われていて。COUNTRY YARDが好きな人がJMSっていう流通会社にいるって話は聞いていたんだよね。噂だと、俺とそりが合わない奴かもしれないって(笑)。ミヤモが「RYOSUKEさんイラついちゃうかもしれないです」って(笑)。で、COUNTRYがEGGMANでやった時に、そいつが来てるって言うから見たら、YOYO系の奴が歩いていて、あいつか!って(笑)。でも、『Heart Island』を出す時に、そのJMSの鈴木と話して、偉そうに「COUNTRY YARDをどうしたいの? 好きなところを言っていってくれ」って、1時間半くらい尋問したの(笑)。そうしたら、自分と同じだったのね。それに、前の某メジャーレーベルみたいにニンジンみたいな話をぶら下げるんじゃなく。こういうふうにしたら、こうなって、こうなるって、ちゃんと話してくれたのね。だから、こいつと一緒にやりたいなと思ったの。で、今まで自分とメンバーで考えてきた、MVどうする?っていう会話に鈴木が入ったことで、“Starry Night”が出てきたのね。ただ、俺としては、迷ってたの。たしかに、メンバーが選ぶと“Don’t Worry,We Can Recover”だろうなって。例えば、その昔HAWAIIAN6がMVを“MAGIC”で撮った時に、本当だったら違うでしょって思ったもん。でも、レーベルとして、一般的に売りやすいものは“MAGIC”だったんだよね。そういう判断って、メンバー発信では難しいじゃん。本当にかっこいいと思っているのは別の曲だけど、広げるためにはこの曲っていう。そういうことを俺一人でプレゼンすることが難しかった時期に、鈴木が入ったの。だから、Sitが「わからなかった」って言ったのは、俺らが勝手にハンドリングしていたから。でも、Sitはずっとブレずに「俺は歌えればいいです」って。だからMVは“Starry Night”にしようと。でも、最初に作ったドラマ仕立てのものだけだと、それだけのバンドじゃねえんだよなって。だから、こういう曲でもダイブが起こるっていうことを……。

Miyamoto 外国のバンドのライブのハードな景色を観て、こういうのかっこいいねって言ったのを、あの曲で自分たちなりにやってみたっていう。