-- 今回、日本語の曲が増えて、歌詞の雰囲気も変わったと思うのね。そういうケンジコの変化についてはどう思う?
TAKA 今回、レコーディングのラフミックスを聴いた時に、歌詞とボーカルがこのアルバムの売りやと思ったから、ケンジさんには「ボーカルをもっと出した方がいいじゃないですか?」とは言った。震災や安保についてケンジさんはこういうアプローチをしたかったんだなと思って、うれしかったというのはおかしいけど、格好良いなとは思ったな。
KRASH 俺は歌詞についてはぶっちゃけ気にしてないんだけど、今回日本語が増えてるのはうれしい。レイザーズとして日本語でやってる方が格好良いと思う。
TAKA ケンジさんの日本語は独特やしね。
MISSILE ケンジさんは俺がこれまで生きてきた中で一番長く一緒にバンドをやってる人なんですよ。昔から独特のぶっ飛んだセンスを持ってて、「いやいや、こんな歌詞はナシでしょ!」っていう内容でも、あの人がやるとアリになるというか。ファッションで例えると、「そんな格好して歩いてたら笑われんで!」みたいな服装でも、ケンジさんが着たら「大丈夫やん! いけてるやん!」っていう感じ。今までは英詞が中心になってたけど、今回は昔の「オイコラクソボケテメエ」って歌詞をアリにしてた感じが帰ってきたというか。しかも、あの頃とはまた違う形で。
-- 「THRASH'EM ALL!!」(1stアルバム)の頃とはまた違う、大人の尖り方をしてるよね。これまで政治的な歌詞なんて全くなかったし。では、作品が出来上がってみてどうですか?
TAKA 単純にいいのが出来たなと思った。普通に、「ヨシヨシ」って。
MISSILE 大志さんが言うように大人の尖り方というか、「狙いはこれだったんやな」って感じた。あと、尖りすぎて一般受けしなさそうだなと思いました(笑)。
-- 一般受けを狙いにいってた時期もありましたね!
3人 あっはっはっ!
-- あの時はむしろ無理をしてたから、これがあるべき姿なのかなって思うけどね。きっちゃんはどう?
KRASH いいのが出来たと思うけど、5年ぶりのレコーディングだったもんで個人的には力不足なところがあって、そういう意味では次の作品に活かしたいなって。作品自体はカラーが分かりやすいし、今までよりさらに研ぎ澄まされてると思う。
-- 俺は、激しい曲ばかりを集めてみたとか、メロディアスな曲を集めてみたっていうことじゃなく、今のレイザーズの全てを過不足なく詰め込んだ感じがして、その潔さがいいなと思ったよ。「THRASH'EM ALL!!」と同じように、何も狙ってない素のレイザーズを感じられた。
KRASH たしかにバランスだけ考えたら、もうちょっと明るい曲調の曲があった方がいいんかなぁとも作ってる途中に思ったりもしたけど、その辺ってどうなんだろう?
-- 全然気にならないよ。
KRASH じゃあ、よかった(笑)。
-- レイザーズってバランスとか考えたらダメなんじゃないの?
TAKA 結局、バランス取れてないしね! でも、それがレイザーズらしさだと思う。
-- 今までも、「こういう感じの曲を入れてバランスを取ろう」ってやってみても、そこまで器用じゃないから結局取れてなかったしね。だったら、今回みたいにやりたいものを詰め込んで、「はい、これでどうですか」っていう方がいいものになるんじゃないのかなって気がする。
TAKA 良い悪いっていう話じゃないけど、ラブリー(「THRASHING GOES LOVELY」2008年リリース)みたいに、音をこうしたいとか、アルバムとしてのコンセプトをどうっていうことを決めて向かっていくことが向いてないよね。
-- 今になって気づくという(笑)。
TAKA まあ、ああいう過程があって、今こういうアルバムができたことは面白いと思う。
-- しかも、作品の端々から今後の意気込みを感じるんだよね。こういう感じ方ってどう思う?
KRASH まさにその通りだと思う。来年は20周年やし、そこに向けて西川くんが曲を作っていくことになるはず。個人的には最近ドラムが楽しくて、また次の作品を早く作りたい。今回、プレイヤーとして力不足だったところを早くリベンジしたいな。
Member Interview Part.02 へ続く
Interview By 阿刀大志