12/02 (Tue) 恵比寿 LIQUID ROOM
act:
BBQ CHICKENS / MAKKIN & 来来キョンシーズ / しけもくロッカーズ / SAND / 松原裕 from 太陽と虎
DJ SABO(FTCRADIO385MHz)
Open:16:30 . Start: 17:30 / Adv: 3,000yen . Door: 3,500yen
先行:Japanese Katana Soundtrack CD付きチケット 先行予約販売
◎受付期間 10/4(土)〜17(金)
◎受付URL http://w.pia.jp/s/katana14cd/ ※PC・モバイル共通
※配送対応:11/26に商品が商品着
※お届け先によって27日着に鳴る場合がございます。予めご了承ください。
※枚数制限:ひとり4枚まで ※受付予定数を越えた場合は抽選となります。
Ticket 11/15(sat) On Sale at:PIA(P:245-815)/ Lawson(L: 77635)/ e+(preorder:10/28-11/3)
Info:03-3444-6751(SMASH)
餓鬼割
■対象者:中学生以上18歳未満 ■チケット代:¥1,000+ドリンク代
■プレイガイドにてチケットをご購入の場合入場時に身分証をお持ち頂けば差額 ¥2000をキャッシュバック
■当日券の場合:餓鬼割対象者は¥1,000+ドリンク代にて ご入場になれます。
■同伴者は一般チケットが必要となります。■小学生以下チケット不要 要同伴者
12/15 (Mon) 梅田 CLUB QUATTRO
act:
BBQ CHICKENS / MAKKIN & 来来キョンシーズ / しけもくロッカーズ / MEANING
松原裕 from 太陽と虎 / DJ SABO(FTCRADIO385MHz)
Open:16:30 . Start: 17:30 / Adv: 3,000yen . Door: 3,500yen
先行:Japanese Katana Soundtrack CD付きチケット 先行予約販売
◎受付期間 10/4(土)〜17(金)
◎受付URL http://w.pia.jp/s/katana14cd/ ※PC・モバイル共通
※配送対応:11/26に商品が商品着
※お届け先によって27日着に鳴る場合がございます。予めご了承ください。
※枚数制限:ひとり4枚まで ※受付予定数を越えた場合は抽選となります。
Ticket 11/15(sat) On Sale at:PIA(P:245-488)/ Lawson(L: 51371)/ e+ (preorder:11/8-10、quattro web:11/1-3)
Info:06-6535-5569(SMASH WEST)
餓鬼割
■対象者:中学生以上18歳未満 ■チケット代:¥1,000+ドリンク代
■プレイガイドにてチケットをご購入の場合入場時に身分証をお持ち頂けば差額 ¥2000をキャッシュバック
■当日券の場合:餓鬼割対象者は¥1,000+ドリンク代にて ご入場になれます。
■同伴者は一般チケットが必要となります。■小学生以下チケット不要 要同伴者者
12/16 (Tue) 名古屋 CLUB QUATTRO
act:
BBQ CHICKENS / MAKKIN & 来来キョンシーズ / しけもくロッカーズ / SLANG / 松原裕 from 太陽と虎
DJ SABO(FTCRADIO385MHz)
Open:16:30 . Start: 17:30 / Adv: 3,000yen . Door: 3,500yen
先行:Japanese Katana Soundtrack CD付きチケット 先行予約販売
◎受付期間 10/4(土)〜17(金)
◎受付URL http://w.pia.jp/s/katana14cd/ ※PC・モバイル共通
※配送対応:11/26に商品が商品着
※お届け先によって27日着に鳴る場合がございます。予めご了承ください。
※枚数制限:ひとり4枚まで ※受付予定数を越えた場合は抽選となります。
Ticket 11/15(sat) On Sale at:PIA(P:245-460) / LAWSON/(L:42748) / e+
Info:052-936-6041 (JailHouse)
餓鬼割
■対象者:中学生以上18歳未満 ■チケット代:¥1,000+ドリンク代
■プレイガイドにてチケットをご購入の場合入場時に身分証をお持ち頂けば差額 ¥2000をキャッシュバック
■当日券の場合:餓鬼割対象者は¥1,000+ドリンク代にて ご入場になれます。
■同伴者は一般チケットが必要となります。
■小学生以下チケット不要 要同伴者
インタビューのリード文としてこんなことを書くのもなんだが、「JAPANESE KATANA Soundtrack」は余計な前情報には触れずにプレイボタンを押すのが楽しみ方として正しい。ただ、日本のパンクシーン、少なくともこの作品に参加しているバンドと、彼らの関係性について普通以上の知識を持っている人でないと厳しいぐらい内輪ネタ満載な“映画”なので、予備知識なしで楽しめるのかどうか難しいところ。なので、普段、映画のパンフレットを作品鑑賞前後どちらのタイミングで読むかを基準に、あなたの好みで決めてもらうのがベストかもしれない。なお、本稿を読むにあたって、昨年行われた「Broken Bubbles」リリース時のオフィシャルインタビューと、Broken Bubbles Tourのラインナップにも目を通すことをお勧めする。何しろ、架空の映画のサウンドトラックだ。こんなぶっ飛んだコンセプトを思いつき、かつ実現までこぎつけてしまった人間はちょっと普通ではない。それをやってのけたのがBBQ CHICKENSであり、横山健である。今回は、今作の首謀者である彼に、「JAPANESE KATANA Soundtrack」制作の裏側と、最近のちょっと深刻なBBQ事情について、伏せ字たっぷりに語ってもらった。インタビュー中盤には特別(?)ゲストも登場する。
-- BBQとしてのインタビューは1年ぶりですね。メンバー全員揃って話を聞いたのが去年9月でした。あの頃ってまだ先のことが何も見えてなくて、今となってみると意外な感じがしますよね。
KENでも、俺の頭の中では全部絵は描けてたけどね。
-- 嘘ばっか(笑)。あの時はまだ「ツアーの対バンどうしよう」っていう状態で。
KENうんうん、そうだったねぇ。
-- だから、今回はまずあのツアー、Broken Bubbles Tourの話から始めなきゃいけないのかなと。どうやってああいう対バンになったんですか?
KENBBQ CHICKENSのツアーなら、普通にバンドに声かけて普通に対バンやってたんじゃ面白くないねって話を前回もしてたと思うんだけど、BBQみたいなショートチューンバンドはどこからも全然出てこない。ハードコア系のバンドと一緒にやるのも普通すぎて面白くない。かといって、メロディックバンドとやるのももっと違う。それで考えた末に出たアイデアが、メロディックバンドに変名でやらせるっていう(笑)。「この人たちは誰なんだろう?」って思わせる。
-- どうやって浮かんできたアイデアなんですか?
KENただの悪ノリだねえ。元々は、2年前にKEN BANDでツアーをしてた時、対バンするバンドのヤツらにTwitterで別のバンド名を決めさせてたの。「dustboxはなんていうバンド名になるわけ?」「えーと、しけもくロッカーズです!」主にSHANKに言わせてたんだけどね(笑)。そんなことやって遊んでてさ、ある夜に俺が「SHANKがジャッキー9に改名しました」ってツイートしたら700RTぐらいされて(笑)、次に「dustboxがしけもくロッカーズに改名しました」って言ったら1500RTぐらいされて(笑)。
-- マッキン&来來キョンシーズ(GOOD4NOTHINGの変名バンド)は激しいやり取りの末にバンド名が決まってましたよね。
KENそれはHONGOLIANとマッキンが元々バチバチだから。あの二人、酒の席での話だけど、一回喧嘩してるからね(笑)。だから、HONGOLIANにも「もっとダメ出ししろよ!」って焚きつけて。そんな感じで、それは当時の楽しいネタのひとつだったんだけど、「それじゃあ、それをそのままやってもらおうよ」と。それで今回は3つのバンド、SHANK、dustbox、GOOD4NOTHINGのそれぞれに「改名バンドで出てよ」って頼んだのよ。それでツアーが始まったんだけど、みんなそれぞれに趣向を凝らしてきたのよ。しけもくと来來キョンシーズは自分たちの持ち曲をやったんだけど、それぞれ仮装してきたわけ。しっかり遊んでるのね(笑)。ジャッキー9は仮装こそしてなかったものの、ステッカー作って、オリジナルの曲も作って、「気合い入ってんねえ!」みたいな(笑)。そんな感じで、それぞれがそれぞれに楽しんでるのを見て火が点いちゃったんだな、俺。「だったらこれを音源にもしませんか?」って。
-- 「だったら音源を」なんて話には普通はならないですよね。
KEN「せっかくそこまでの遊び心があるなら、もう一歩先へいこうよ」っていう気持ちが俺の中にあって。単純に嬉しかったのね、そういう風にBBQとのツアーを楽しんでくれたことが。それで、あのツアーに関わった人たちを集めてそのまま作品にしたって感じ。
-- でも、「もう一歩先へいこうよ」って思った時にはまだ、ここまでの形は浮かんでなかったんですよね?
KENいや、俺はちゃんと絵描けてたよ?だけど、口頭で説明しても誰にも伝わらないわけ。だから俺、すげえしっかりした企画書作ったのよ――俺のパソコンにずっと3つのテキストがあったの。「企画書」と「あらすじ」と「仮の曲順表」っていうのが。それが去年の暮れの段階にはもう出来上がってて、誘いたい人みんなに送ったわけ。
-- つまり、その時点で完成形まで頭に浮かんでたんですか?
KENBBQのツアー直後にはね。あらすじを書いて、タイトラ(太陽と虎)の松原とかDJ SABOをこういう感じで使えたら面白いんじゃないかと。それをひとつのパッケージにして「なんじゃこりゃ!?」っていうのが作れたら面白いんじゃないかと。そんな風にして、去年の暮れはあらすじを夜な夜な書いてたな。松原はよく相談に乗ってくれたし。
-- そうなんですか!
KEN松原にはよく赤を入れてもらったね。
-- なんでまた?
KENなんでだろうね? あいつが一番ノリノリだったからじゃない(笑)?他の人は「ちょっと分かんない…」って感じだったんだけど。
-- 松原さんは完全にフィールしてくれたんですね。
KENあいつが一番ビンビンきてたよ(笑)。あともう一人ビンビンきてたのがSANDのマコちゃん。マコちゃんはあらすじを読んで勝手に相関図を書いて、「こことここが反目してるってことは……あれ? そうするとここがねじれるな……」みたいなね(笑)。そういうことを俺に教えてくれるわけ。「結局、これって、その下の連中はどうなってんですかね…?」みたいな。俺も「そっか、それはちゃんとしないといけないね」って(笑)。
-- キャストもこの時点で全部決まってたってことですか?
KENうん、決まってた。
-- では、ここにBBQのツアーに参加してないlocofrankがいるのは?
KENロコはね、BBQのツアーそのものには参加してないけど、BBQのノリでモノを頼んだことがあったのね。盛岡のフェスでKEN BANDのライヴのときに「俺たちの呼び込みをしてくれ」って。“DJシャズナ”って名前で。
-- (爆笑)
KEN「俺たちの持ち時間少しあげるから、ヒップホップの格好で三木道三の曲をバックに歌ってくれ。それで俺たちのことを呼び込んでくれ」と。それをドラムのTatsuyaがやったの。で、それがウケないと思ってたらすごいウケちゃって。そういう熱いハートを持ってBBQノリでやってくれたから、これはロコも誘おうと(笑)。で、「じゃあ、おまえらはレゲエな」って(笑)。
-- それでレゲエ調の曲だったのか(笑)!
KENでも、「レゲエの曲作って」って言ったのに、大阪のソウルバラードみたいなの作ってきやがってさ(笑)! これから歌詞を書くってときに正行から電話がかかってきて、「今から歌詞書くんですけど、これから抗争に向かっていく悪い感じなのか、前にKENさんが言ってくれた、『こんなに戦って一体何になるんだ?』っていう切なさを描くべきか、どっちがいいと思いますか?」「うん、後者だね」「ぅぅぅ分かりました~!」って(笑)。
-- でも、みんなが90秒ルールを守ってる中、ロコだけまんまと4分超えでしたけど。
KENそれは、俺がちゃんと企画書に「90秒縛り」って書いてたのに、そういうところを一切読んでないマネージャーが悪い。だから、曲聴いてびっくりしたよ。メンバーに直接声かけた時に、「レゲエで1分半っていうのも難しいから2分ぐらいでもいいよ」って言ったら、それが4分になってて。だから、「マスタリングで半分カットして2分にしていい?」って言ったら本当にびっくりされて、しょうがないから丸々使ったんだよ。で、ロコの生真面目さがまた面白くてさ、曲のブレイクのところで、ベースが残るところがあって、ギターが残るところがあって、ドラムが残るところがあって、すげえ丁寧に作ってあって、「めちゃ真面目じゃん、こいつら!」って(笑)。でも、そうなっちゃったのは全部ロコのマネージメントが悪い。俺はメンバーそれぞれに直で声かけたけど、やっぱり最終的にはマネージメントがついてるバンドはマネージメントに話を通さないといけないじゃない? だから、企画書を送る相手もメンバーじゃなくてマネージャーになるわけよ。そこで一番意図が伝わらなかったのがlocofrank。
-- え? そんな仕事も横山さんがやったんですか?
KEN全部やったよ!
-- すごいっすね! そこまで自分でやろうと思ったのはなんでですか?
KEN事務的なところ以外で人を挟んじゃうと形にならないんじゃないかなと思って。
-- 企画の段階からその感じだったってことは、この作品に対してかなりの熱を持ってたんですね。
KENそう。もう冷めたけどね(笑)。でも、去年の今頃は魂が回転しまくってたよ。各バンドに企画書を送るのはもちろん、その前にメンバーに電話して「こういうのを作りたいんだ」っていう熱を伝えて。
-- でもさっき、バンドにはちゃんと理解してもらえてなかったって言ってましたよね。どうやって作品の趣旨を伝えたんですか?
KENたぶん、形になるまで誰にも伝わんなかったんじゃない?
-- じゃあ、スキットも内容をよく理解しないまま録ってたと。
KENうん、SABOちゃんも松原もどこでどう使われるのかとかよく分かってないし、ボツにしたテイクもたくさんあるし。そう考えるとあの2人は地力あるよね! 松原はこてこての関西の笑いじゃない? 逆にSABOちゃんはモロに中野ブロードウェイの笑いなのよ(笑)。その対比も素晴らしいなと思って。西のコテコテの笑いと東のシュールな笑い(笑)。
-- 松原さんは助演男優賞ものですよね。
KENあいつはね、R-1グランプリに出て1回戦突破とかしてんのよ(笑)。
-- へぇ~! それは前から知ってたんですか?
KENうん、知ってた。BBQのツアーに参加してもらった時も、「30分時間やるから、ネタでも何でも好きなことやって」って。それでお客さんに騎馬戦やらせたり、音声を使ったネタをやったり、すごい面白かったんだよ。
-- そうなってくると、松山で対バンしたアニキ(YAGi-STANDARD)の不在が気になりますね。
KENそうなんだよ! そこだけちょっと後悔なんだけど……でも、アニキはただのハイスタのコピーバンドだったからねえ! スキットのメンツに混ぜることも考えたけれど、まとまりつかなくなっちゃうかなと思って、今回一人だけ割愛させてもらった(笑)。
-- 文句言われてないですか?
KENこの話自体知らないから知ったら怒ると思う(笑)。でも、ヤギスタはライヴの完成度が低かったから、他のバンドと一緒にしちゃ失礼だよ(笑)。……完成度って話が出たところで、やっぱり今回すごかったのは来來キョンシーズとしけもくロッカーズの音源のクオリティの高さ! すごいよね。伊達に長いことやってない。彼らはメロディックシーンでもトップランナーなわけじゃない? 真面目な話、メロディックのバンドってメロディック以外やっちゃいけないっていう頭があったりすると思うんだよね。俺の勝手な推測だけどさ。本当はスラッシュメタルとかハードコアとかいろいろ聴いてて、いろいろやってみたいんだけど、自分のバンドの名前にだんだん首を絞められていくのよ。今回、そういった足かせを外してあげたかった。
-- ほぉ~。
KENそんな真面目な狙いもちょっとあったりして。ダスト名義で出来ないものもしけもくだったらできるでしょ?とか。そんな思いもあったから、彼らが高クオリティを炸裂させてきたのは嬉しかったな。SHANKはまだ若いから全部SHANKの中でできちゃうから、まだ変名してでも振り切って出したいものものを持ってないんだけど、来來としけもくのおじさんたちのはじけ具合はすごかったね。
-- 嬉しい誤算だったと。
KENうん、そうそう。
-- でも、それ以上にすごいのはスキットですよね。
KENわはは!
-- この作品の肝はそこだと思うんですよ。
KENまあね(笑)。それは濡れ場の巨匠・横山健だから(笑)
インタビュー / 阿刀 “DA” 大志
第二回に続く...
-- スキットの録音も横山さんがやったんですよね?
KENうん、全部自分で(笑)。グッフォーにしろロコにしろ、このタイミングで会えるって時に時間を作ってもらって、自分でレコーダー持って行って、2人で台本持って、何十テイクもやった。
-- へぇ~! でも、ファミレスとかの環境音はどこかのフリー音源だったりを使ってるんですよね?
KENいや、現場の音だよ。だって、アナログのレコーディングを体験してる身としてはさあ、後づけとリアルなものとで音が全然違うってことは分かってるわけ。だから、ピストルだけはあり物の音源を使ってるけど、それ以外は全部現場の音よ。で、そこでもマジックがいくつか起こって。ジョージ(しけもくロッカーズ)とANDREWのシーンで、例えば、この台詞のあとにコップをテーブルに置いてくれとか、そういう細かい演技指導もしてたんだけど、最後に2人が歌ってる裏で救急車が走ってんの! これがよくよく聴くとめっちゃ面白いのよ! ドリフでいかりや長介さんと仲本工事さんがバカ兄弟のコントをやってたじゃない? そういうバカ兄弟調の演技の裏で救急車の音が鳴ってるっていうね(笑)。あと、もうひとつのマジックは、マコちゃんのシーンを撮った時。本当にザーザー降りの雨が降って、「今しかないでしょ!」って。俺もマコちゃんも俺の機材もびしょ濡れでやったね。
-- マコトさんの場合、朴訥な演技が逆に怖いというか。
KENそうだねえ(笑)。でも、それは脚本を書くときにも意識したことで、演技が出来る人がいないから、いかにも演技っぽいシーンを入れちゃうと上手くいかないんじゃないかと思ってけっこうシンプルにしたところはあるかな。
-- そう言うわりに、みんなけっこうしっかり演技してません?
KENまあねえ。それは濡れ場の巨匠・横山健がよく指導したから(笑)。何テイクもやったもん! 正行なんて30テイクぐらいやったんじゃないかな? 逆に、松原と俺はいつも早いの。松原はもう勝手が分かってて上手いから。あとは思いの外、ジョージが上手かったかな。
-- あそこの絡みはすごく良いですよね。
KENみんな、冷や汗かきながら面白がってやってくれたからね。
-- ところで、今作の鍵を握ってる組長がスキット中に一切現れないですけど、これは一体どういうことなんですか?
KEN最初、あらすじを書き始めた時は俺が組長だったのね。でも、組長って偉そうであんまり面白くないし、俺はだらしない役がいいなと思って、だったら架空の存在にしちゃったほうがいいだろうなと。
-- でも、DJ SABOのところに組長からハガキが届くシーンがあるじゃないですか。あれは事前に横山さんがDJ SABOに指示したんじゃないですか?
KENいや、あれは勝手にDJ SABOがやったの(笑)。一応、全員にあらすじとコンセプトは送ってるから、その中でみんながどうキャッチしてくれるかってことだったんだけど、やっぱりああいう人は勘がいいよね。「ぶっ飛んでて頭がおかしいものを作りたい」って言ったら、即答で「やりましょう!」っていう人だからさ(笑)。
-- この作品、普通のお客さんが聴いて理解できると思いま……
KENいやぁ、できないと思う!
-- 食い気味に否定(笑)。
KENでも、ちゃんと形にしたから分かってくれるかも……? これを作るときに頭にあったのはスネークマンショーだったの。でも、スネークマンショーにあらすじはないし、そこにまた架空の映画を合わせたものだから、さらに分かりづらいなとは思う。けど、まあ、別に最初からあらすじを理解してもらうことが目的じゃないから。いや、本当はこの世界観の全てを理解してもらうのが嬉しいけど、一回聴いて「わけわかんねぇ!」って思ってもらっても全然構わないかな。
-- じゃあ、ここで全部吐き出せたことで、横山さんとしては既に満足してるんですね。
KENそうそう。これ以上は求め過ぎかなと。これを理解してもらう作業は野暮だからしたくないのかもしれない。
-- たしかに。これはこれで完全に成立してますもん。
KEN分かってもらえるよね?
-- うん。たとえ分からなかったとしても、人を惹きつけるパワーがあると思います。
KENほんと(笑)?
-- 多分それは、横山さんが全部……原案、脚本、キャスティング、監督、主演、録音、全部を担当して、1℃も熱を逃すことなく詰め込んだから伝わるんだと思うんですよ。ここで他の人の手が入ったらこうはいかなかったかもしれない。
KENぼやけちゃうよね。
-- さらに、横山さんがやりたいことを全部詰め込んだことによって、図らずも今のバンドシーンのカルチャーを発信するという副産物をももたらすんじゃないかと思うんですよ。
KENうんうん、その辺の大志くんの考察をもっと聴きたいなぁ。
-- いや、これだけなんですけど。まあ、BBQのことを大げさに語るのは粋ではないとは思うんですけど、これは発信してる感がビンビンです。
KENまあね、BBQ CHICKENSのバンドの在り方とかライヴの空気感ってあまりにも異質じゃない?そこからさらに一歩向こうに行ったのがこの音源だと思うのね。
Matchan (KEN BAND) うんうん。
KEN「うんうん」って言ってるけど(笑)。
-- 実は最初から横山さんの隣で話を聞いてたMatchanだけど、今回の音源はまだ全く聴いてないんだよね?
Matchan聴いてないです(笑)。
KENでも、ライヴではギターアンプとか支えてくれてるよね(笑)。
Matchanそうっすね(笑)。
-- Matchanは今作の録音の様子をチラ聞きしてたという情報が。
Matchanはい。KEN BANDのツアー中、ホテルの部屋がKENさんの隣だったんですけど、夜中に「ガコンガコン!」ってすげえ音が鳴って。
KEN(笑)
Matchan「KENさん暴れてるのかなあ…?」と思っていろいろ考えてみたんですけど、「別に今日はそんなにキレるような出来事なかったよなあ…」って。けど、やっぱり怖かったので、「ガコンガコンガコンガコン!」って鳴ってる中、寝ました。
KEN(笑)
Matchan3時4時ぐらいの出来事で、「あれはなんだったんだろう?」って思ってたらこれだったんですね。
KENたぶん、最初のマッキンのシーンだと思う。そのホテル、長崎だったでしょ?
Matchanああ、そうそう!
KENあれは、部屋にある机か壁を蹴ってたのよ。何テイクもやってさ……で、話は戻るけど、さっき言ったことの逆になっちゃうかもしれないけど、このアルバムの面白みをお客さんに汲み取ってもらいたいって気持ちはあるのよ。こないだ、これを聴いたばかりの大志が「いやあ、あれはすごいっすよ! カルチャーですよ!」って言ってくれた時に、「あ、キャッチしてもらえたかな?」って思って嬉しかったの。ひとつのパッケージの中にいろんなバンドの短い曲がかーっと入ってて、架空の映画の小芝居ががーっと入ってて……俺、小学生の頃、よくラジオ聞きながら寝てたんだけど、連続ラジオ小説っていうものがあってさ、朗読なんだけど、芝居もちゃんと入ってるドラマで。どんな話だったかは覚えてないけど、その存在をすごく覚えてさ。俺もなかなかのラジオっ子だったから、それを今やってみたらこうなったって言い方も出来るな。
-- 意外と渋いのを聞いてたんですね。
KENでも、当時は普通だったのよ。たぶん、プロの声優さんがやってたんだろうね。
-- それを聞いて育った少年がまさかこんなものを作るとは。
KEN子供の頃に受けた衝撃がすごく入り込んでるよね。連続ラジオ小説とスネークマンショー。スネークマンショーのインパクトも当時すごかったからさ。どれだけ売れたかは知らないけど、アルバムの中にギャグが曲のひとつとして入ってるっていう、そういう変化球が俺は好きだったからさ。そういったものから35年経って、ひとつのパッケージとしてこういうものが出るっていうのは、連鎖としても面白いよね。
-- この作品、響く人にはクソ響くでしょうね。そして、ユーモアが分からない人はクソ味噌に言うでしょうね。
KENそうだろうね。
-- 「バンドマンが演技なんかして寒っ!」とか。
KENそんなこと言われたら、俺はいいけどマッキンは傷つくぜ(笑)。
-- これぐらい売れたらいいなっていう理想はあるんですか?
KENうーん、そうだねえ。これをひとつのカルチャーとして取り上げてもらえて、10万とか20万とか売れてくれたら面白いとは思うよ? でも、実際に見えてる数字は5000だね(笑)。
-- リアルですね(笑)。
KENその程度のもんかな。思うけど、カルチャーをひとつ作り上げたっていっても、今は情報が多すぎるからさ、「それでなに?」って思われちゃうのよ。だから、希望はあるけど、過度な期待はしてない。むしろ、これを作れたところで満足というか。やっぱりそこに尽きるかな。
-- なるほど。
KENでも、今って「CDが売れない」とか「パッケージの意味は?」とか、もう騒がれもしなくなったじゃない? そんな時期にこのパッケージをドロップするってことにちょっとエキサイトはしてるかな。1曲ごとに抜き出して聴いてもさっぱり分からない。トータルで世界観を捉えようとしないと分からない。作品に入り込む姿勢というか、普通に聞き流せる音楽ではないから、リスナーに時間や手間を要求するアルバムではあるかもしれないよね。それって昔ながらのことで、そこを要求できるのは逆に嬉しいかな。1曲1曲楽しんでくれても別にいいけど。
-- 俺は頭から聴きますけどね。
KEN今の子は違うんだよ。
-- でも、それはそういう聴き方を求められてる作品がないからじゃないですか?
KENまあね。作り手がだんだんお客さんのニーズに合わせてきちゃってるから。このアルバムはニーズ無視だからね。
-- このアルバムには「おまえらが俺たちに合わせろ」っていう熱量があります。
KENうん。でも、ピザオブデスはその熱量で15年間やってきて負け続けてるけどね! だから、まさか今回で突破口が開けるとは思ってません(笑)! でも、そこをリスナーに要求するアルバムを作れたってことは嬉しいかな。
インタビュー / 阿刀 “DA” 大志
第三回に続く...
-- ところで、BBQの曲、格好いいですね! 日本語詞、最高じゃないですか。
KEN「Pon-Chu Man」ヤバいでしょ? あれは、相変わらずHONGOLIANがみっともないから、ラップをやらせてみたら面白いんじゃないかなと思って。でも、あいつにラップなんてできるわけないじゃん? だから、「とりあえずIKUZOラップ歌ってろよ」って言って、それをそのまま曲にしちゃったの(笑)。
-- 歌詞も最高ですよね。
KENHONGOLIANが書いたんだよ。「すごいエグいの書いてくれ」って言って。まあ、2人ですごい話し合ったけどね。何度もダメ出ししたり。
-- BBQの日本語詞、全然いけます。
KEN「Japanese Katana」も日本語だし。
-- もう、全曲日本語詞のアルバムがあってもいいと思いますよ。
KENまあ、このままBBQをやるんだったらの話ね(笑)。
-- いやいやいや、それはやりましょうよ。去年も同じようなこと言ってましたけど。
KENBBQは最近ライヴが疲れちゃうのよ。BBQとして作品を作ることとか、BBQとして存在することは心の洗濯であるはずなのに、最近のライヴは怪我人が多くてちょっとね……。誰も見たことないようなカオスを作りたくてそっちの方向に持っていこう持っていこうとした末にお客さんに事故死でもされたらさ……シャレんなんないじゃない? だから真面目な話、「このまま続けてていいのかな?」って本気で悩んでる。
-- 中には空気が読めないお客さんもいますしね。
KEN俺は別にいいんだけどね。あれだけカオスになるとギターを見てるだけでいいから、ギター弾きとしては逆に楽。だけど、後で「これだけケガ人がでました」って聞くと、さすがにまずいって思うよね。Broken Bubbles Tourツアーでも、BBQ周りの身内だけで4人骨折者がでてるからね(笑)。まあ、それはそれでいいんだけれども、でも何かあったらね……。実際に前回のツアーでとんでもないところを骨折しちゃったお客さんがいて。その人はライヴ慣れしてる人だから、自分でも「自己責任」って言ってくれてるけど、これがもしライヴ慣れしてない人だったらもっと大事になってたと思う。でも、コントロールしようっつってできるもんじゃないし。もっともっとカオスにしたいけど、そうしたら絶対に死者が出るからね。微妙なところだよ。
-- 俺、BBQは海外に行けばいいのにって思ってるんですけどね。
KENそれは海外の人だったら死んでもいいってこと(笑)?
-- いやいやいや(笑)。海外でイチから始めたら面白いのかなって。
KEN俺にそんなパッションあると思う(笑)?
-- あるとは思ってないですけど、行ったら絶対に面白くなると思うんですよね。
KENBBQのFacebookページ見ても、海外からのコメントが多いからね。海外にはBBQのカバーバンドいっぱいあるし。ヒドいライヴ映像をよく送ってくるよ、しかも発音良く(笑)。うーん、でも、海外に行くほど情熱は注げないかな。
-- 需要があるのに行かないのってどうしても勿体なく感じちゃうんですよ。
KENある程度お呼びがかかるようなら考えるけどね。……じゃあ、いろんな言語で書いといてよ。「BBQはウェルカムだよ」って。英語だけじゃなく、スペイン語とかポルトガル語とかインドネシア語で、「BBQ CHICKENSのライヴで大怪我しないかい?」って。
-- だったら、自分でFacebookに書いておけばいいじゃないですか!
KEN俺たちが自分から発信することじゃないからさあ。
-- たしかに。
KENそれに、本当に誘いがきちゃったら行かざるを得ないから、ちょっと逃げ道は残しておきたいな(笑)。
-- 検討出来る余地をね。ところで、こないだ出したライヴDVDがすごく売れたみたいじゃないですか。
KENああ、売れたねぇ。ピザのお店と通販だけで4,000本。
-- すごいっすよね。普通に流通させたらどれだけ売れてたのかと。
KENね。「疾風勁草編」より売れるんじゃねえかなと。まあ、あれも映像作品の中ではずいぶんヒットしたとは思うけど、あれよりもBBQの方が売れるんじゃないかなって。
-- 俺が考えたのは、あのDVDを“オフィシャル流失”みたいな形でYouTubeに全部アップしちゃうんですよ。それで海外の連中に見せて、お呼びがかかるようにするっていう。「うちの国に来てくれ!」みたいな。
KENそうだね…カッコ遠い目(笑)。
-- 横山さんがもうあと…
KEN20ぐらい若けりゃね(笑)!でも、まあ、考えてみりゃつい最近、システマ(SYSTEMATIC DEATH)が海外行ったって話も聞くしな。FORWARDとかもね。
-- YouTubeとかを通じて、日本のバンドのことを知ってもらえる環境が昔よりも全然整ってるからですよね。それでサンフランシスコとかロスに行って、リアルベイサイドツアーでもやればいいじゃないですか!
KENああ、いいね…いいよ…(遠い目
-- (笑)
KEN結局さあ、海外行って何がお楽しみかって、◯◯◯ぐらいなんじゃないの?
-- そうっすか?
KEN日本よりも好きに◯◯◯るからみんな行ってるだけでさ。俺、そんなに好きじゃないしなあ。
-- 暴言甚だしいですね(笑)。
KEN日本のバンドが海外に行く理由って結局それだなって思う。俺がもうちょっと◯◯◯好きだったら行ってたかもね(笑)。
-- これは原稿がマルだらけになりますね。まあ、とりあえず、BBQのこの先は見えてないってことですね。
KENうん。
-- 音源だけでも出せばいいじゃないですか。
KENでも、音源出したら絶対ツアーしたくなるじゃない。
-- じゃあ、やればいいじゃないですか。
KENだって、ツアーが危ないんだもん。だからもう、BBQ CHICKENSのライヴに関しては退くも地獄、進むも地獄でさ。日和ったらライヴが前より面白くなくなるってことじゃない? でも、このまま突き進んだら事故が待ってるわけじゃない? だから、今の状態をキープするには奇跡が起こらないと。真面目な話、お客さんも俺たちも熟す必要があるよね。マイクジャックするのとか、お客さんのマナーがなってないとかいった議論が起こるでしょう? それに対して俺は本気でどうでもいいと思ってるの。お客さんにはHONGOLIANのことをぶちのめしてもらっても構わないの(笑)。あいつは怒ってるけど、俺はそれを見るのが楽しいわけだから(笑)。ちなみにあいつ、お客さん10人ぐらいに上に乗られて指折ってっかんね(爆笑)。
-- マジすか! 知らなかった!
KENそういうのは面白いのよ。最高なの。HONGOLIANが怒ろうが、I.S.Oが怒ろうが全然いいわけ。ただ、お客さんに重篤なケガをされると困るよね。こっちがケガする分にはまだいいけどさ。……そこにちょっと悩んでるってことは書いといてよ(笑)。
-- そっかー、残念だなー。
KENだから、残念にするもしないも、BBQのお客さん次第でもあり俺たち次第でもあり。あと、海外に活路があるとするなら、◯◯◯以外のお楽しみを教えてくれたら(笑)。
-- だったら心が動くかもしれないと。
KENうん。だって、BBQだと◯◯◯で喜ぶのはHONGOLIANだけだからねえ(笑)。
-- (爆笑)
KENANDREWもI.S.Oも嫌いじゃないからいいんだろうけど、I.S.Oはもうちょっと◯◯◯◯◯だからね。でも、◯◯◯◯やられると◯◯ちゃうから、それは俺としても困るけどなあ。まぁ、もし俺が◯◯◯と◯◯であっち行って◯◯◯◯できるとかだったらまた話は違うんだけどね。
-- 喋れば喋るほどマルの数が増えていくのでこの辺で終わろうと思います。
KENあ、あとひとつ考えてることがあるんだよ。
-- はいはい。
KEN「JAPANESE KATANA ビヨンド」を作ろうと思ってる(笑)。
-- いいっすねぇ(笑)!
インタビュー / 阿刀 “DA” 大志