HONEST

HONEST 1st Full Album 'HONEST' 2023.02.01 On Sale! Code:PODRS-13 / Price:¥2,750(incl.tax)

HONEST 1st Full Album 'HONEST' ジャケット画像

TRACK

1. I Like You / 2. Honestly / 3. Lonely Boy / 4. Radio / 5. Over Slept / 6. Minority / 7. Smell Of Autumn / 8. Let Me Be Near You / 9. From Me To You / 10. Keep On Going / 11. Dawn / 12. Memories / 13. Goodbye

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HONEST 1st Full Album 'HONEST' Release Mini Tour -Create New Values-

2.22(⽔) 上前津club Zion

Open 17:15 . Start 17:45
Adv 2,500yen . Door 3,000yen +1D
※学⽣証提⽰で前売り当⽇共に1,900円(+1Drink)

- BAND -
Unlax / sanagi / LEGAL RUSH
MARIO2BLOCK / HONEST

- TICKET -
各バンド取り置きにて受付
HONEST 予約受付SNS:Twitter  /  Instagram

3.5(⽇) 新宿ACB HALL

Open 17:15 . Start 17:45
Adv 2,500yen . Door 3,000yen +1D
※学⽣証提⽰で前売り当⽇共に1,900円(+1Drink)

- BAND -
Stain hung over / Thermostud / Owl
Northrop / Stellarleap / HONEST

- TICKET -
各バンド取り置きにて受付
HONEST 予約受付SNS:Twitter  /  Instagram

3.27(月) F.A.D YOKOHAMA

Open 17:15 . Start 17:45
Adv 2,500yen . Door 3,000yen +1D
※学⽣証提⽰で前売り当⽇共に1,900円(+1Drink)

- BAND -
COPES / JACK MINDS / TOYSNAIL
Stain hung over / Northrop / HONEST

- TICKET -
各バンド取り置きにて受付
HONEST 予約受付SNS:Twitter  /  Instagram

4.9(⽇) 上前津club Zion

Open 17:15 . Start 17:45
Adv 2,500yen . Door 3,000yen +1D
※学⽣証提⽰で前売り当⽇共に1,900円(+1Drink)

- BAND -
Northrop / Stain hung over / JasonAndrew
MACVES / VAGARIOUS VAGABONDAGE
HONEST

- TICKET -
各バンド取り置きにて受付
HONEST 予約受付SNS:Twitter  /  Instagram

HONEST 1st Full Album [HONEST] Official Interview

Interview Vol.01

―― 1stフルアルバム『HONEST』がPIZZA OF DEATH RECORDSからリリースされることになり、SNSでもかなり話題になりましたが、まず率直な気持ちはどうですか?

樋口 ひと区切りがついた、みたいな。レコーディングとかも(高橋)太陽が東京に住んでて、僕ら2人は名古屋なんで、結構忙しかった時期が続いて。ホッとしてますね、凄く。

高橋 HONESTをサポートするようになったのが昨年10月ぐらい。だから、PIZZAに加入してフルアルバムを出すっていう実感がまだちょっと湧いてなくて。ホントに(CDの)現物を手に取るまではまだわかんないだろうな、っていう感じがあります。

夏目 自分が中学校のときから知ってるレーベルからリリースするので、感慨深いし、率直に嬉しい気持ちもあります。

―― ここでHONESTの歴史を振り返っていきたいんですけど、そもそもの源流は樋口さんが小5のときにMステでKen Bandのパフォーマンスを観たことになるんですよね。

樋口 そうですね。メロディックパンクバンドをやりたいと思ったのはMステでKen Bandを観たのがキッカケで、そこからギターを始めました。

―― 『HONEST』に収録されてる「Radio」の歌詞にもその心境が綴られてますけど、それぐらいの衝撃だった、と。

樋口 それまではX JAPANとかMR. BIGとか、ビジュアルが派手なバンドを聴いてて。でも、Ken Bandは普通の格好で生音でギターをかき鳴らしてて。バーンってくる衝撃があって、「オレもこういうのがやりたい」って。それまで、親の影響で聴いてた音楽が多かったので、初めて自分で見つけた音楽でもあったんです。

―― その後、聴き漁ったり、影響を受けたのはどのあたりになります?

樋口 親父に「Ken Yokoyamaって知ってる?」って聞いたら『MAKING THE ROAD』が出てきて、「うわ〜、親子だな」って思いつつ(笑)。「SNAIL RAMPは知ってる?」って聞いたら『B・M・W』が出てきたり。あと、「これを聴け」って渡されたのが『Punk-O-Rama』っていうEpitaphのオムニバスとか。

―― ちなみに、小学校高学年から中学校へ進むあたり、高橋さんと夏目さんはどういった音楽を聴いてました?

高橋 僕も親の影響が強くて、小学校4年生ぐらいのときにマキシマム ザ ホルモンを教えてもらって、それが原点ですね。その後、小学校5年生のときにKen Bandを知って、親父にハイスタも教えてもらってめちゃめちゃ聴いてたから、Mステもリアタイで観てて。(樋口)浩太郎も言ってましたけど、生音でやってて、地上波にパンクがでることもないから、小学生ながらにめちゃめちゃ衝撃を受けてましたね。

―― その当時、2人は友達ではないけど、同じMステも観てたし、同じような音楽も聴いてたんですね。

樋口 今になって思えばそうですね。

―― 夏目さんはどうですか?

夏目 ドラム自体は小学校2年生から始めてたんですけど、音楽やバンドに関しては深いことを全然知らなくて。当時聴いてたのはONE OK ROCKとX JAPAN。小学校のときはその2バンドをひたすら聴いてコピーしてました。

―― 3人とも早い段階からバンドサウンドに目覚めてますけど、周りに同じような人はいました?

夏目 いなかったですね。

樋口 そうですね。

高橋 いないです、誰ひとり。

樋口 やっぱ、今もそうですけど、K-POPとかジャニーズとかヒップホップとか、そういうのを周りは聴いてて。僕は周りと同じのがたぶん嫌で、これが好きなんだっていう反骨精神というか、それもあってみんなが知らない音楽をどんどん探っていったのがあったかもしれないです。

―― HONESTの歴史に話を戻すと、小5のときに目覚めつつも実際にバンドという形になったのは高校生になってから。少し時間がかかりましたよね。

樋口 いい出会いがなくて。「パンク凄くね?」って友達に話したりもしたんですけど「興味ない」って言われたし(笑)。それが嫌でふてくされてたのかもしれないですね。

―― 高校へ進学して、コロナ禍に入ったこともあり、何かやらないといけないと決意してHONEST名義のデモCDを制作しました。

樋口 同い年の太陽もそうだけど、1年生の3学期からコロナが始まって。

高橋 そうだったね。

樋口 完全に学校が休校になって、最初は喜んでたんですよ。「休みだー!」って(笑)。

高橋 2ヶ月ぐらいはわっしょい、わっしょいしてましたね(笑)。

樋口 でも、家から出れなくなったり、ゲームも飽きてきて、何もやらない日々が淡々と続いていって。この期間に大きいことをやりたいと考えたとき、やっぱりバンドがあって。頑張ってお金を貯めてデモを作り、それでメンバーを集めようと。

―― バンドをスタートさせようとした場合、まずメンバーを集めるのが普通じゃないですか。そこでいきなりデモCDを作るっていうのは思い切った選択だったなと思います。

樋口 何か、オレ、小中高と結構バカにされてたんですよ。「バンドがやりたい」、「将来の夢はミュージシャンだ」って言っても笑われるみたいな。それを思い出して、「やってやろう!」って決めたのもあると思います。

―― 2020年12月に発売したそのデモCDがかなり反響を呼んだわけですけど、すぐにいい出会いがあったわけじゃなかったんですよね。

樋口 そうでしたね。そもそも、名古屋だと楽器をやってる人、バンドをやってる人が少ないし。

―― という中で同じ高校で2学年下の夏目さんを2021年6月にスカウトしたという。

樋口 僕が美術の課題で居残りをしてて、夜になったし家に帰ろうと思ったとき、軽音部の部室からドラムの音が聴こえてきて。「あれ? コイツ、ヤバい!」と思って。

―― それは上手いな、と?

樋口 そうです。僕、ギターの前にドラムをやってたんで「コイツ、上手いかも」と感じてその部室の扉をバーンって開けました。

―― えっ、いきなりですか?

樋口 はい(笑)。で、声をかけたんです。

―― 夏目さんにしてみれば、部室でドラムを叩いてたら上級生がいきなり入ってきたみたいな。

夏目 だから、めちゃめちゃビビりましたね(笑)。しかも、高校に入ったばかりの時期だったからまだ学校に慣れてないのに、知らない先輩がいきなり入ってくるっていう。

―― 同じ高校に自分で全部演奏したデモCDを作ってメンバーを探してる先輩がいるのは知ってました?

夏目 いや、全然知らなくて。

樋口 学校の友達には内緒にしてたんですよ。教室の隅っこで本を読んでるタイプだったんで、言ってもバカにされるし。

―― どういう風に声をかけられたんですか?

樋口 最初は「どういう音楽を聴くの?」とか「ハイスタ知ってる?」って聞かれて「知ってますよ」って答えたら、「バンドをやりたいんだけど、メンバーがいなくて、もしよかったら一緒にやらない?」って。とりあえず、LINEを交換したら、1stデモCDの3曲が送られてきたんです。そのとき、「I Like You」に衝撃を受けて、絶対にやりたいと思って「やります!」って伝えました。

―― その後、サポートのベーシストも見つかって、ライヴをやるようになったんですよね。

樋口 そうです。ただ、学業もあって、月に1回ぐらいのペースでやってました。

―― ライヴをやっていく中で対バンしたEuphoricのギターヴォーカルが高橋さんという。

高橋 去年の3月でしたね。

樋口 豊橋knotで10代のバンドを押し上げるようなイベントがあって、そこが出会いで。

高橋 HONESTのことは1stデモCDのころから知ってたんです。Twitterとか、すっごい反響あったんでチェックしてたんですけど、初めてライヴを観て喋ってみて、僕とほとんど一緒のルーツだし、音楽を聴くにあたる過程も一緒だなと思って意気投合し、仲良くなりました。

―― そういった出会いがあって、その後ギタリストの高橋さんがベーシストとしてHONESTに加わるようになったわけですけど、かなり思い切った話ですよね。しかも、高橋さんはギターにこだわりがあったわけじゃないですか。

高橋 もともと、ギターは小学校6年生ぐらいからやってて。高校の軽音部に入ったとき、楽器毎に人数制限があって、学年でいちばん上手いにも関わらずジャンケンに負けてドラムになりまして(笑)。で、ドラムを半年ぐらいやって、この先ちゃんとやっていくバンドを組むとなったとき、無理やりギターに戻りました。

―― そういう流れがあったのにHONESTでベースを弾くことになるっていう。

高橋 まず、HONESTは凄く好きなバンドで、リスナーとしてもいちファンだし。「名古屋にはベーシストがいなくはないけど、気の合うヤツがホントにいない」って浩太郎からずっと話は聞いてたし、新しいベーシストをめちゃめちゃ探してるのも知ってたんです。で、去年の夏の終わりぐらい、「ギターでやってるバンドはあるけど、ベースを弾いてもらえないか?」って言われて。そのとき、手伝えたらいいなとは思ったけど「ベーシストじゃないからどうなんだろう?」ってちょっと引き気味だったけど、友達だし、助けてあげたいし、HONESTもカッコいいし、というところで決めました。

―― 樋口さんはそれぐらい気の合うメンバーとやりたかった?

樋口 そうですね。いざ新しいベーシストの募集をかけたとき、応募してくれた人はたくさんいたんですけど、マインドが合う子がいなくて。やっぱ、マインドが合って同じ方向へ進める子じゃないと嫌だなと思ってたんです。太陽は自分のバンドがあるし、ライバルとしてずっと長い付き合いになると感じてたけど、同い年で同じくらいの気持ちと考えを持ってるヤツは太陽しかいなくて。いろいろ考えた結果、ちゃんと話をして、お願いをしました。

―― この3人でスタジオに入ったとき、いい手応えはありました?

樋口 めちゃめちゃありました。

夏目 僕もありました。

―― 高橋さんも凄く頷いてますね(笑)。

高橋 はい(笑)。

樋口 それまで、スタジオは真面目に入ってたというか、ピリつく空気もあったりして。でも、太陽が入ってからはくだけるところはくだけて、雰囲気が明るくなったんです。その空気を感じたとき、かっちりとハマったなと思いました。

―― それが去年の秋ぐらい?

高橋 9月の末日にスタジオへ入りました。

―― そう考えると、このタイミングでフルアルバムが世に出るのは急展開ですよね。

樋口 太陽と出会ってまだ1年も経ってないですからね。

高橋 あっ、そうか。

―― 夏目さんにしても、樋口さんが美術の居残りがなかったら出会わなかった可能性もありますし。

樋口 これでメンバーが見つかってなかったら、ふてくされてバンドを止めてた可能性もありますね(笑)。

高橋 あぶねえな(笑)。

Vol.02へ続く...
Interview by ヤコウリュウジ

Interview Vol.02

―― バンドが固まってくると樋口さんの中から出てくるアイデアや歌いたいことに変化はありました?

樋口 いや、基本的に歌いたいことはあんま変わらなくて。こういうことを伝えたいんだっていうんじゃなく、そのときの気持ちというか、今日はこんなんだったからそういう曲を書こう、みたいな。そういう日常を曲にしたりしてるんで。

―― 例えば、高橋さんや夏目さんからリクエストがあったりはします?

高橋 してないですね。

夏目 僕もしてないです。

高橋 何だろうな……浩太郎のセンスはたぶん超えれないんですよ。自分も曲は作れるんですけど、どう頑張っても樋口浩太郎のサウンドは作れなくて。だから、僕が曲を持って行ってもHONESTにはならない気がするし。それに、彼は我が強いんで、これをやって欲しいと言ったところでやってくれないだろうし(笑)。

―― ハハハハ(笑)。バンド内の関係性はどうですか? 樋口さんと高橋さんは同い年ですけど、夏目さんは樋口さんの後輩になるわけじゃないですか。

夏目 意見が言いにくいとかはないんですけど、やっぱり高校の先輩ではあるんで敬語ですし。

樋口 僕がお兄ちゃんで夏目くんが弟みたいな。

高橋 それで言うと、夏目くんは浩太郎のことを樋口くんって呼ぶんですけど、なぜか浩太郎は先輩なのに夏目くんってくん付けで呼んでて、それがずっと謎で(笑)。

樋口 ハハハハ(笑)。最初、出会ったときに初対面だから夏目くんって呼んでて。そこから急に呼び捨てにしにくいじゃないですか。それに、フラットにバンドをやりたいから、むしろ先輩感を出さない為にくん付けで呼んでたんですけど、逆に距離があるみたいになっちゃってるのかも(笑)。

高橋 そういうことか(笑)。

―― まあ、バンドを続けていく中でもっとフラットになっていくでしょうしね。

樋口 そうですね。最近、僕も夏目って呼ぶこともあったり、僕のことを樋口って呼んだりもするんで。この間、「おい樋口、肉焼けよ」とか言ってきて(笑)。

一同 ハハハハ(笑)。

夏目 いやいや、それは言わされたんですよ(笑)。

―― では、フルアルバムについて伺っていきますけど、リリースに至った経緯はどういう流れだったんですか?

樋口 もともと、最初にひとりでやってたときからPIZZAの方とは繋がりがあって、ちゃんとバンドになったあたりから連絡も取るようになってたんです。で、2ndデモCDを出して、それを聴いてもらった後、一緒にやろうよと言っていただいて、やりますと即答しました。

―― 時期としてはいつぐらい?

樋口 昨年2月ぐらいにはもう作ろうか、曲をいっぱい書こうっていう話になってましたね。

―― となると、フルアルバムへ向けて動いていくのとメンバー探しが同時期だったこともあるっていう。

樋口 そうです。曲を書いてるときに前のサポート(ベース)の子が抜けるってなって、同時進行で探さなきゃいけなくて。

高橋 それでめちゃめちゃ焦ってたのか。

樋口 そうそう。だから、余計にマインドが合うヤツじゃないとやべえと思ったし、バンドにもついてこれないだろうし。

―― フルアルバムに関して、どういう作品にしたいなと考えてましたか?

樋口 う〜ん……初期衝動というか。例えば10年後、20年後に振り返ったとき、「あのフルアルバムはあのころにしか作れないよね」みたいな、そういうのが作れたらなって。とにかく、自分が好きなモノを詰め込もうと思いましたね。全体の構成がどうとか考えるより、好きなモノを詰め込むっていう。

―― 聴かせてもらった印象として、メロディックパンクを楽しんでまっすぐに熱量をぶつけてるなと思ったんです。今って、YouTubeやサブスクもあるから、いろんな音楽に触れて様々な要素を織り交ぜた結果、軸がわからなくなることもあるけど、それがなくて。手応えとしてはどうですか?

樋口 やっぱ、メロディックというのを忘れちゃいけないというか。やりたいのはメロディックで、例えばハードコア、ヒップホップやハードロックとか、好きなジャンルは一旦置いといて、メロディックを作ろうって。その考えにちゃんと合った、筋の通った作品ができたと思ってます。

高橋 新曲も出会ったころの曲も含め、凄くHONESTだなって感じましたね。それにまとまりもあって。ひたすらに速い曲もミドルテンポの曲もあるんですけど、軸が1本、真っ直ぐにあるんですよね。

夏目 凄くいいモノができたなと思ってて。いろんな曲があるんですけど、やっぱりメロディックパンクをやってるって、聴いてても自分で演奏してても感じますし。レコーディングもしっかりした環境でやらせてもらって、自分のドラムの録り音にもテンションがアガったし、ホントにいい作品ができたと思ってます。

―― 新人でここまでストレートにメロディックを鳴らしてるバンドに出会ったのも嬉しかったです。あと、時代を経て、凄くハイスタの影響も感じたんですよね。

樋口 影響は受けてますね。

―― リアルタイムでハイスタから影響を受けたバンドが結成20年を超えている今、そういったバンドたちが結成された後に産まれてるのが皆さんじゃないですか。それこそ、「Over Slpet」とか聴きながらニヤニヤしちゃいました(笑)。

樋口 ハハハハ(笑)。この曲って、太陽と出会った日に作った曲なんですよ。ライヴで一緒になって、打ち上げに出たけど、そのときは未成年だったんで途中で帰らなくちゃいけなくて。でも、終電がなくなって帰れなくなって、友達の車に泊まって、駅まで送ってもらい、家でぶっ倒れるように眠って、2ndデモCDの納品に遅れたっていう(笑)。

―― そのエピソードが曲に(笑)。

樋口 そういうふざけた曲もあるんですよね(笑)。

―― 最近のバンドって、リリース前にMVを作ったり、サブスクにアップしたりするじゃないですか。それこそ、高校生バンドでも。

樋口 してますね。

―― でも、HONESTはそういうことを一切やってないから、代表曲とか人気のある曲がわからなかったりするんですけど。

樋口 あ〜、そういうのだと「Radio」と「I Like You」になるのかな。

高橋 そうだね、その2曲。あれはグッドメロディ―すぎるんで。

夏目 僕も「I Like You」を最初に一発聴いただけで心を掴まれたんで、お客さんでもそう感じてくれる人は多いのかなって感じです。

―― たしかに、「I Like You」はピックアップされる曲なのかなっていう瞬発力とインパクトがありました。

樋口 僕としては新曲を推したくて。「Let Me Be Near You」がめちゃめちゃ好きなんですよ。

―― 切ないメロディーをゆったりと歌い上げてる曲ですね。

樋口 そこを掴んだのか、みたいなのがあって。

―― 今回、全13曲中5曲がデモCDにも収録されてる曲で、残りの8曲が新曲です。リリースに動き出した段階で曲のストックはあったんですか?

樋口 あったのはデモの曲ぐらいですね。それ以外は作って、ライヴでやっていって。まだライヴでやってない新曲も収録したりもしてるんですけど。

―― ライヴでやりながら脱落していった曲もあったり?

樋口 ありますね。ライヴでやってみて「合わないな」とか「今じゃないな」とか感じて、無くなった曲もあります。

―― HONESTって、全体的に曲が短かったりしますけど、コンパクトにまとめるのはこだわりがあるんですか?

樋口 結構、聴き応えがあるというより、スラッと聴けてまた聴きたいって思える曲の方が、って。だから、1分、2分の曲を、というのがまずあって、3分、4分ぐらいの曲がひとつ、ふたつっていう。フルアルバムという形として、今まで聴いてきたのはそういうのが聴きやすかったんですよね。

―― あと、コーラスも多用してますよね。それもこだわりのひとつ?

樋口 そうです。太陽が入る前はコーラスが入ってなくて、僕ら。あえてそうしてたっていうより、技術不足だったというか。ちゃんとコーラスを入れたいというのはずっとあったので、太陽が入ってくれて良かったなと思ってます。

―― アレンジは3人で詰めていくような感じなんですか?

樋口 う〜ん……ほとんど僕ですかね、今は。

高橋 そうだね。

樋口 僕が主導権を持ちつつ、細かいところは2人に任せてます。

―― それこそ、樋口さんも高橋さんもドラム経験者じゃないですか。夏目さんに対する指摘だけ細かいみたいなこともあったり?

樋口 いや、文句なんかないですよ。夏目くんは上手すぎるんで。

夏目 いやいや(笑)。ドラムに関して、樋口くんは好きなようにやってくれと言ってくれてて。僕のスタイルやフレーズを尊重してくれてるなって思ってます。

―― 樋口さんが情熱的に周りを巻き込んで進んできたバンドだから、超ワンマンみたいなイメージがあるかもしれないですけど。

樋口 最初、始めたてのころは僕のバンドになっちゃってたんです。「HONESTって言えば、樋口くんのバンドだよね」みたいな。でも、夏目くんがちゃんと話すようになってきたりとか、太陽が入って雰囲気が変わっていったりとか、ちゃんとみんなバンドっていう感覚になりましたね。

―― 樋口さんは「Let Me Be Near You」がお気に入りという話でしたけど、高橋さんと夏目さんはどのあたりをピックアップします?

夏目 僕は「Memories」がすっごい好きで。2ビートの曲ではないんですけど、シンプルにドラムのフレーズが叩いてて楽しいんです。それにギターソロだったり、メロディーだったり、泣きメロもいいなと思ってて。いちばん聴いてますね。

高橋 「Memories」は結構好きな曲なんですけど、「From Me To You」かな。

―― ド直球な激しい曲ですね。苛立ちをぶつけまくってる。

高橋 僕はハードコアも好きで。ハードコアって、世や人に対して怒りをぶつける音楽じゃないですか。「From Me To You」はまさしくそういう匂いがプンプンしてるし。この曲はHONEST流のハードコアパンクだと思ってますね。曲ができた過程はそんなにアレなんですけど(笑)、曲自体は凄く好きです。

―― というと、何があったんだろうと思っちゃいますけど(笑)。

高橋 浩太郎に聴いてください(笑)。

樋口 まあ、難しい話ですね(笑)。

―― じゃあ、気になった人はライヴ会場で直接聞いてくれ、みたいな。

樋口 そっちの方がいいかもしれないです(笑)。

Vol.03へ続く...
Interview by ヤコウリュウジ

Interview Vol.03

―― 制作していく中で難しかった、時間がかかった曲というと?

樋口 結構、全体的に苦戦はしてて。デモに入れた曲以外はほとんど苦戦しました。PIZZAから出すっていうのもありましたし、フルアルバムを出すとなったら納得のいくモノができないと嫌だったんです。だから、「これぐらいでいいでしょ」っていう気持ちでは作りたくないし、1曲1曲、聴いた人が「うわっ、すげえ!」ってなるように作ってやるって決めてたんで、時間はかかりましたね。

―― いちばん化けた曲を挙げるとするなら?

樋口 それこそ、デモ曲の「I Like You」や「Radio」とか、ライヴハウスでやると盛り上がる曲たちが今までとはまた違う聴こえ方になったんですよ。「Keep On Going」とかもそうなんですけど、太陽が入ったことによって曲の規模感が増したところがあって。

―― そうなると、デモCDを持ってたり、ライヴを観たことがある人でも改めてフルアルバムで聴いたら「こんなにパワーを持ってるのか!?」って驚きがあるような。

樋口 絶対にありますね、それは。これはもうデモのころのHONESTじゃないな、って。

―― 今回、曲が短いから聴きやすいっていうところもありますが、いろんなアプローチの曲があるから飽きないですよね。曲の出だしも工夫されてて、それもいいなと思いました。

樋口 中身はもちろんなんですけど、曲の入り、繋ぎ、曲間も凄くこだわって。例えば、この曲とこの曲はハウリングで繋ごう、あの曲の終わり方はこういう風にしよう、とか。あと、曲順も凄くこだわりましたね。

―― 今はサブスクが主流だから、パッケージとして考えないことも多いじゃないですか。好きな曲を1曲ずつ聴く人も多いし、フルアルバムもベスト盤的な作り方が多いし。だからこそ、繋ぎや流れを10代のバンドがこだわってるというのは嬉しくもあり、ワクワクもしました。

樋口 やっぱり、サブスクは聴かれやすいっていうメリットはあるんだろうけど、広まり方に関しては引っかかってるところがあって。やっぱ、CDとしての、作品としての価値観が薄くなってるじゃないですか。周りの友達とかもそうなんですけど、好きな曲を選んでプレイリストを作って聴いてるし。その楽しみもわかるけど、僕はまとめて作品として聴いてほしいし。なんで、デザインにもこだわって、できるだけ手に取ってもらえるように作ったんです。

―― 歌詞についてもお聞きしたいんですけど、物語的な綺麗事はないし、妙にカッコつけることもなく、素朴な感情を綴ってることが多いですよね。

樋口 そうですね。僕はどちらかと言うとマイナス思考というか、凄くネガティブな人間で。何事に対しても悩んじゃうし、誰かから言われた何気ないひと言でも落ち込んだりもして。あと、誰かが辛い思いをしてたら一緒に辛くなっちゃうんですけど、そういうこともそのまま曲にしてますね。英語詞だからちゃんと伝わってるかわからないんですけど、へんに「大丈夫だよ」とか「何とかなる」って言うんじゃなくて、「僕はこうなんだよね」みたいな感じで伝えられたらいいなって。

―― 高橋さんや夏目さんから見て、樋口さんっぽい歌詞だなと思います?

夏目 思いますね。HONESTの曲って、凄く前向きで頑張ろうっていうよりは、ネガティブというか、全体的にナーバスな歌詞が多いなと感じてて。そこに樋口くんっぽさっていうのがありますね。

高橋 そうですね。それこそ、「Minority」って曲があるぐらいだと思うんで。

―― 「Minority」は暗闇でもがくというか、壁を乗り越えられない自分を綴っていたり、「Dawn」は後悔をこぼしていたり。そういう感情をライヴで繰り返し歌っていくわけじゃないですか。そこで思い出して辛い気持ちになったりはしないんですか?

樋口 ん〜、なりますけど、それも含めて僕ですし。「同じような気持ちになってるヤツ、たぶんいるだろうな」って。そういう人たちにも伝えて、「自分だけじゃないんだ」って気づいてもらえたら嬉しいなって。

―― 今はSNSが普及してて、いいねやリツイートで共感の数が目に見えちゃうから、できるだけ多くの人が頷ける曲が世の中に広がってる傾向がありますよね。

樋口 ありますね。

―― そういうことは意識したりします?

樋口 しないっす、全然。流行りに乗っかるのも嫌だし、自分が好きなモノ、時代で感じた匂いや色、想いはHONESTの曲に乗っけてるので。やっぱり、僕は僕の気持ちを、この感情をぶつけて。こう思うんだ、っていう意思表示をバンドでしていきたいんですよ。

―― そこに共感してもいいし、そういう考えがあるんだと思ってもいいし、それは違うっていうのでもいいわけだし。

樋口 そうですね。もし、そうじゃないと思ったのなら、それはバンドで返してもらえれば嬉しいっすね。

―― 先程、曲順にもこだわったという話がありましたけど、愚痴をこぼすような「Good Bye」でフルアルバムを締めくくったのが意外だったんです。メッセージ的には節目で前へ進むという決意をこめた「Memories」で終わらせていいんじゃないかなって。

樋口 あ〜、なるほど。「Memories」は同じようなメロディーの曲がもともとあって、高校の卒業式のときに歌詞をちゃんとリライトした曲なんです。何か……高校のときに書いた曲で終わらせたくないなっていうのがあって。

―― 今の自分を投影した曲で終わらせたいっていう。

樋口 「Good Bye」は大学生という新しい環境にもなって、そこで生まれる葛藤だったり、SNSで生まれる悲しい気持ちだったり、今までの曲を全部踏まえた上で「今はこういう気持ちなんだよね」っていうのを乗せてるんです。

―― なるほど。たしかに、「Good Bye」はそこから踏み出したい、自分を奮い立たせるところまで書いているし、締めくくりの曲だけどこれからを予感させますし。

樋口 そうですね。ちょっとそこを表現したいというか。書いてたら自然とそうなっちゃったんですけどね。

―― 曲順はメンバーで話し合ったりもしたんですか?

高橋 結構しましたね。最初、1曲目は「Honestly」にしようと浩太郎が言ってて。1曲目のつもりで書いたんだよね、たしか?

樋口 そうそう。

高橋 だけど、「I Like You」がいいでしょ、って。ド頭にくるべき印象があるし、やるぞっていうブチ上げ感をあの曲は凄く持ってると思うんで、そこは推しましたね。

―― 実際、いいインパクトがありますよね。

樋口 僕はひねくれてる部分があって、HONESTと言えばこの曲みたいな感じで始めたくなくて。

―― あ〜、そこに頼ってる感じがしちゃうみたいな。

樋口 で、我を強めで2人に話したりしたんですけど、そこは太陽が譲らなくて(笑)。

高橋 ハハハハ(笑)。

樋口 だったら、言うことはちゃんと聞こうと思いました(笑)。

―― 作品のタイトルについて、簡潔に『HONEST』というセルフタイトルになりました。他にも何か候補はあったんですか?

樋口 いくつかはあったかも。でも、そもそも決めてなくて、レコーディングしながら決めたんですよ。僕ら、デモCDもタイトルは決めてなかったし、直前でどうしようかってなって。まあ、へんにカッコつけてもHONESTというバンド名に似合わないだろうし、これでいいよねって。

―― リリースツアーは全4本が予定されてます。

樋口 とりあえず、この4本をやって、終わった後にもっと増やすか、今まで行ったことがないところへ行ったりとか、いろいろ考えてます。

―― 最近、特にツアーだとバンド数を絞る傾向もありますけど、今回は賑やかなメンツで開催します。

樋口 そうですね。対バンの中には、ライヴをしてきて長く観てくれてる先輩もいるんですけど、主にこれからやっていきたい、戦っていきたい仲間のバンドでやりたいと思ったんです。

―― HONESTって、ちゃんとバンドとして動けたのがコロナ禍に入ってからじゃないですか。映像で観てきた人がグチャグチャになってるステージをまだ経験してないですよね。

樋口 してないですね。

―― そういうところで苛立ちというか、早くああいう景色を、という気持ちはありますか?

樋口 平常運転で動いてるライヴハウスを観たことがないんですけど、何て言うんだろうな……僕らで新しい景色を、新しい価値観を作れたらなって思ってます。これはかなり難しい問題だと思うんですけど、100人が遊びに来たら100人が楽しかったって思えるライヴにしたいから。

―― ライヴについての課題と言いますか、もっとこうやっていきたいみたいなところは?

樋口 普通にちゃんと歌えるようになりたいなって。声が枯れちゃうんで(笑)。

高橋 僕は楽器の技術を磨くのは当然として、ライヴはフロアが凄く大事だと思ってて。ステージングが凄くてもフロアの盛り上がりがイマイチだとパッとしない感じになるし。単にステージングだけを高め過ぎても自分らだけ気持ちよくなっちゃって、それも違うんで。だから、自分たちも高めつつ、お客さんも引っ張っていくようなライヴがしたいんですよね。

夏目 ライヴ本数もまだまだ多いわけじゃないんで、これからどんどん経験していって、新しく掴める感覚も大事にしたいです。あと、僕らがただ演奏して見せるだけじゃなくて、お客さんと一緒に作っていくライヴっていうのをできるバンドになりたいですね。

―― このリリースをキッカケにして、どんどんHONESTの名が広がっていくと思いますが、今後に関して目標的なことはありますか?

樋口 僕は同い年とか、ひとつ下、ふたつ下のヤツにこういうパンクや音楽を広めたくて。ひとりでも多くの人にライヴハウスへ来て欲しいし、同い年のヤツでまだライヴハウスに来たことがないヤツもたくさんいるだろうから、みんなを引き込んでやっていきたいですね。まずは、今回のツアーの初日とファイナルはずっと地元でお世話になってるライヴハウス、上前津club Zionなんでそこをパンパンにしたいなと思ってます。

高橋 して〜!

夏目 したいっすね!

樋口 関東だとお客さんも来てくれるんですけど、名古屋ってなるとメロディックのシーンが下がってきてるというか、そういう状況もあって。だから、もちろん関東やいろんなところでライヴはしていきたいんですけど、地元で新しいお客さんをライヴハウスへ持っていきたいんですよ。

Interview by ヤコウリュウジ