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『横山健の別に危なくないコラム』

Vol.110

もう今回から文字数を少なくする。

このコラムを書き始めた頃……20年以上前の話になる。その頃の文字数はとても少なかった。その代わりに月一回は更新していたし、複数回更新していた月もあった。その頃に戻したいと思う。更新頻度はさて置き、文字数を戻したいと思う。

当コラムの連載歴も長くなり、読んでくれる方も増えて、「健さんの書く文章、おもしろい!」「文才ある!」などと言われ、鼻の下を伸ばし、それと同時に文章も伸びていった(こういうところが文才があると言われる所以ry)

最初期の文章の文字数を確認してみようとしたら、ファイルが文字化けしていてカウントできない(汗) しかしせいぜい2~3000文字程度であっただろう。一晩でパッと書けてしまう量だ。

それが2013年くらいになると15000字に、2020年には18500文字にまで増えた。

この頃になるとボクは「このコラムは圧倒的文量が存在意義なんだ!」と思うようになっていた。

ネットでのコラム/エッセイなど、読者が快適に読める文字数は2~4000文字と聞いた。これも僕の天邪鬼な精神に大いに火を着けた。「快適になんか読んでもらいたいわけねえだろうが!凡人どもに迎合してどうすんだよ!」ボクはそのまま長文スタイルを崩さず進んだ。

するとどうだろう……段々と書くことが面倒になってきたのだ(トホホ)。更新は年に2~3回になり、終いには丸一年放置もしてしまった。

当然かつては熱心に読んでくれていた方々も、このコラムの存在を忘れていく。そして新作を投下しても読まれない。まるで……自分で掘った墓穴に自分が入るかのような……いや、そんなカッコ良いもんではない。これはどうだろう……自分が美味しいと思ったお菓子を再び買いに行ったら、なんと季節限定商品で二度と手に入らないと分かった……いや、それも違う。それではこれはどうだろう?それはまるで……かわいいと思って買ったカラーひよこがめっちゃ立派な雄鶏に育ってしまった(ボクは稀代の喩え下手です) まぁなんでもいいんです。

あと文章から離れてしまう理由は、僕自身、発信すべきことがない、ということ。このコラムは政治や時事問題にも触れ、稚拙ではあるがボクなりの考えや思いを発信してきた。しかし今はそれらについてここで触れる気、発信する気がなくなってしまった。いつも個人的に世の中には意見はあるが、ネットに書くことには対しては極めて慎重になる。ネット社会はここ数年で荒れ果てた場所に変わってしまったからだ。

それこそコラムを書き始めた初期は、そういった発信はまだ有効であったと思う。いまは揚げ足を取られて、ネタにされて、炎上して、運が悪けりゃ誰かが死ぬ。そんなことネットでやるか、という気持ちにもなる。

過激な考え、刺激的で憎たらしい物言いなどを駆使して、言いたいことはいつもいっぱいある。しかしそれを発信すべき場所はネットではない。

ということは。

このコラムは独り言の如く当たり障りのない日常を綴っていくのが良いのではないか?しかも文字数も少なく。

よし、やってみよう!今回の目標は……3000字!!

早速ではあるが、2024年は忙しかった。練習、レコーディング、ライブ&ツアー、麻雀に明け暮れていたような気がする。

麻雀は子どもの頃に覚えて、20代の頃なんかはちょいちょい打っていたが、2024年に本格的に始めた。これが一番忙しかったかもしれない。その次には……コロナ真っ最中の2021年から丸4年間の間に、アルバム3枚、ミニアルバム1枚、シングル3枚をリリースした。2020年のライブ・アルバムを含めるとアルバム4枚だ。まるで若手バンドのようなリリースの勢いだった。

そしてそれぞれの作品のリリースに伴うツアー。もっとも2020年はライブが1本もできず、2021年のなかばから、ソーシャルディスタンスと世論を気にしながらのライブを、そろりそろりと始めた。2022年になると少しずつ本数を増やし、2023年3月13日の厚労省による「新型コロナウイルス感染症について/マスクの着用について」の規制緩和により、堰を切ったかのようにライブ&ツアーを再開した。

つまり、世の中が「かつての通りのライブをしても良いよ」となった時にバンド練習し始めたのでは、そりゃ遅い。難しい状況下であろうと、バンドとしてやれることを進めておこう、という姿勢で地味にスタジオ入りして、新曲を作り、レコーディングをしていたので、ライブもロケットスタートが切れた。

そしてロケットスタートしたボク達には、コロナ禍でリリースした数枚の音源達があった。それらの曲をパンパンのライブハウスで演奏すると、リアクションはすごかった。きっと皆さんも家でジッと耐えながら聴いてくれていて、「いつかライブハウスでこの気持ちを炸裂させてやる!」という想いを溜めていたのだろう。演奏するたびにボクの心のモヤモヤも晴れていった。

ただ、これは個人的な感じ方なのだが、直近のライブに於いても「4Wheels 9Lives」の曲達や「Indian Burn」の曲達が、ボクにはいまだに新曲に聴こえるのだ。そりゃ「These Magic Words」や「4Wheels 9Lives」は毎ライブでやっているので、それらはもう新曲とは思わない。しかし突然「I’m Going Now, I Love You」や「A Little Bit Of Your Love」をやったら、まだまだ新曲の域を脱し切れてないなぁと思う。

披露すべき曲がいっぱいでウハウハなはずが、ボクはボクでそれぞれの曲の出しどころを考えて、思い悩む。結局「よし、次のツアーでそういった曲をバンバンやって『新曲感の払拭』を狙おう!」ということになるのだが。そんな調子でライブもしまくった。

2024年の秋にリリースした’90s パンク・ロックの名曲達のカバー集「The Golden Age Of Punk Rock」がこれまたすこぶる評判が良い。と感じている。ライブのやり方というか演出も少し変えてツアーをしているのだが、それもバンド史上初めてのことなので、小さなことだが毎晩刺激的なライブになっている。

あまりの評判の良さに(と思ったため)、先日このエクストラツアーが発表された。「The Golden Age Of Punk Rock Tour “Extras”」だ。たった4本しかないが、まだこれを4本もできると思うと嬉しい。

さて先の年末年始、数年ずっと走ってきた Ken Yokoyama はすっかり疲弊していた。早々に年末休みに突入し、年始の始動も例年に比べて遅い。久しぶりのまとまった休みを取った。

休まないとインプット作業ができなくなる。インプット無くしてアウトプットは無し。それをする時期なのかもしれない。

ぶっちゃけて言うと、「休みたい」「何もしたくない」ということだ。インプットなんかもしたくない。偶然インプットとなるものだけで良い。

あとは寝て、タバコ吸って、ギターのケアして、植物のケアして、麻雀をしていたい。なので自分の動物的防衛本能、いや、欲に従い、そうしていた。

とは言えインプットに関して言えば、ボクは12月6日のツアーファイナル以降に、タガが外れたかのように Gibson のギターを3本買った。それに Woodstics に注文していた2本も仕上がった。12月だけで5本増えたことになる。どれも即戦力といって差し支えないクオリティーのギター達。ツアーが待ち遠しい。

さらには、所有していたけれどもここ数年弾いてないな、とかレコーディング用に取っておいたギター達をライブ用に、とかいろいろなアイデアが浮かび、4本のギターの改造をした。

もちろん改造には当たりもあれば、いまだに「うーん……」って鳴りの子もいる。それも一本一本の個性。受け止めるべきことだ。まぁこの種のトライをしてみることは、ギタリストとして全然間違ったことではないし、新しい発見もあったりするのでとても楽しいことだ。

12月に買ったギター、改造ギター合わせて……9本?その中でも一番期待しているのが、Gibson の「Randy Rhoads モデル」通称R.R.。

この呼び方だが、小泉今日子さんを「キョンキョン」と呼ぶなら、こいつも「アールアール」になる。「キョンツー」と呼ぶなら「アールツー」ということだ。「ダブルアール」なんて洒落た呼び方もできるが、これは……「W-NAO」と干渉してしまわないだろうか。「W-NAO」とは90年代初頭に活躍した「網浜直子」さんと「飯島直子」さんのユニットである。干渉が心配なだけで、響きは良いと思う。どれもどうでもいいんだが。

そいつに少し出力の強いピックアップを付けたら、まぁ音が良い。いま弾きたいレスポールいっぱいあるけど、R.R. をメインギターにしちゃってもいいんじゃないか?と思うくらい気に入っている。他にも期待を良い意味で裏切った素晴らしいギターがあるので、そいつも活躍しそうだ。

ギターの話は止まらない。上記した9本がある上に、おそらく今年できてくるギター達もあるだろうし……進行中のプロジェクトもいくつかある。それらもローンチできる段階になったらローンチ致します。楽しみにしていて欲しい。あぁ……「Guitars」の更新も急がねばならない。

あ、これがインプットとなにが関係あるかと言うと……関係ないわけが無い。ギタリストが新しいギターを買ったり開発したりしてワオワオやって、そして古いギターと新しいギターに囲まれて暮らす空間がある。そこにいるだけでインプット完了になる。ギターとは、弾いて上手くなるのも良いが、ギターが放出するマイナスイオンを浴びるだけでも体に良いものなのだ(そんなもん出してない)。

ギターを買って、寝て、タバコ吸って、ギターのケアして、植物のケアして、麻雀をしていれば、インプット完了。

そしてインプットが完了したらすぐにアウトプットモードになる。つまり「制作期」である。ここ最近ライブをほとんどやっていないことにお気づきだろうか?昨年12月6日の「The Golden Age Of Punk Rock Tour 最終日」以来、Ken Yokoyama はライブしていない。

現状2月にツアーがあり、3月は名古屋のフェス1本、4月はライブなし、5月は「乱シリーズ」、6月は Satanic のみ。ここ数年に比べたら圧倒的に静かだ。「2025年の Ken Yokoyama はあまりライブしないのかねぇ」なんて感触を持たれているかもしれない。ボクはそれでも良いと思っている。

なぜなら。

既にレコーディング済みの音源、今後制作予定の音源、今年この先まだ発表になっていないライブがいっぱいあるからだ。

実はバンドは地下に潜って制作活動をしている。それらのものが世に放たれ……いや、ローンチされる時のために、ただでさえ人目につかない様な風貌の男たちが集まって、地味な作業をしているのだ。

いろいろと楽しみにしておいて欲しい。

おぉ……なんとなく締ったところで、冒頭の懸念事項である文字数を確認してみよう。

ここまでで大体4200字!案外多い。でももう一言言いたいことがある。文字数は増えちゃったけど、別に削らなきゃいけないわけでもないし。結局多く書いたほうがギャラは増えるし(このコラムにはギャラは発生しない)。

よし、最後の一言を言って締める。

ボクはもう55才です。残りの人生どれくらいあるのかはわかりませんが、残された時間が少ないことは明らかです。多くは望みません。

なのでせめて……なるべく多くのギターをゲットして、なるべくたくさん麻雀を打って、なるべくたくさん刺青を入れて、なるべくいろんな観葉植物をゲットしたい。

それらに囲まれた空間で、良い音楽と美味いコーヒーとチョコレート、それにタバコ、あとは金があれば。 

死んだらなにもあの世に持っていけないんだし。

気持ちはミニマリストだ。

 
 

あれからちょうど2年、彼のことを思い出さない日はない

2025.02.14

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