《1.intro》
――3年半も待った上に『intro』があって、また焦らされるという(笑)。
二人「ははははは!」
健太「歌まだか!っていう(笑)」
――何でイントロを付けたんでしょうか。
中途「10年間やってきたライヴの中で、SEって殆ど使ったことがなくて……前のレコ発の時には一曲使ったりしていたし、その時々で面白がって掛けたりしますけど、決まっているものはないんですよね。このSEが流れてきたら、このバンドが出てくる、みたいな曲が。メンバーの趣味が統一されていないからだと思うんですけど。だから、今回のレコ発のライヴは、イントロとかあったら面白いんじゃないっていうところから作りました。もうライヴでは、ちょこちょこやっているんですよ」
《2.Cast Off Tinsel Lie》
――《Time has come.》、時は来たと自ら宣言するという、久々のアルバムの幕開けに相応しい歌い出しですね。
中途「それ、全然意識してなかったですね!(笑)」
――嘘っ!?(笑)。
中途「僕、これが一曲目に来るとかは考えていなかったし。ちなみに、一年くらい前からライヴでやっています」
健太「今作の中では、一番最初にできた曲です」
――というと、いつくらいに?
健太「『FIGURE』を出して、その間にオムニバスのために2曲作って、それと同じくらいの時期に書いたんですよね。ゴツいメロディックハードコアを書きたいと思って。当然、僕も一曲目の感覚はなかったんですけど、曲順を決めてる時に、確かに、ここ以外に何処にくんねん?って感覚になりましたね」
《3.The Brilliant Future》
健太「結構ひねくれた感覚で作ったんですよね。同時進行で3曲くらいストレートな曲を書いている時にに、1曲くらい王道ではない曲を書きたいと思って。だからこの曲、明確に何処がサビとかもないし」
中途「レコーディングの時の面白かったんが、人によってサビだと思うところのの感覚が違うんで、エンジニアさんに、『サビを聴かせてもらっていいですか?』って言うと、『サビって何処なの?』って言われたっていう(笑)」
――サビらしくしなかったのは、敢えてなんですか?
健太「そうですね。僕の中でしっくりくる形の曲って、Aメロ、Bメロ、サビの順番でくる曲ですけど、それが一番いいのかっていったらそうではなくて、違う曲の良さもあるやろって、もっと頭を柔らかくして書きました。サビが二つある曲って面白いやんって」
中途「そやね。Aメロはここやろなってはっきりしていると思うんだけど」
健太「その後が何なんか(笑)」
――でも、メロディがいいから、聴きづらい感じはないですよね。
健太「うん、メロディに凄く意識を持って行きましたね」
――歌詞に関しては、どうでしたか?
中途「そうっすね。今作の歌詞はトータルで、素直に強さも弱さも出していこうと思って書いたんですけど……この歌詞は展開が多いんで、合わせるのが難しかったです。起承転結の、何処に結を持ってくるかっていう。まあ、題材が決まれば流れは決まるんですけど、自分は文章自体が上手くないんで(苦笑)、いろいろ考えました」
《4.Story》
――前回のインタヴューでも出てきた、今作の肝になっている曲ですね。
健太「はい。こいつがこの形になって、他の曲がバーッと定まり出したところはあります」
――これぞキラーチューン、っていうものを書こうと思っていたんですか?
健太「そうですね。そこのハッパは自分で掛けました。みんなの首を縦に振らしたい意識は、持って書きましたね。でも、最初のサビ全然違かったんです」
中途「で、僕が、この曲のサビはライヴでこういう景色が見たいんだって言って、健太が変えてきてくれたのがこの形です」
健太「サビまでは結構早いペースで作れたんだんですけど……」
中途「健太は完璧主義なんで、僕がこういうことをしたいって言うと、10じゃなく12で返さんと嫌なタイプなんですよね。僕が言った通りをやるだけでは満足しなくて、僕がこれめちゃめちゃええやん!って言うところを目指すんです」
健太「だから、『Story』の音を渡した夜に電話が掛かってきた時の、どうなんやろう?感はハンパないですよね(笑)。いいって言え!って思いながら(笑)」
――で、どうだったんですか?
健太「言ってくれましたね!」
中途「僕が思っていたものと、全然違う形で返ってきたんですけど、これは絶対にやりたいって思いました」
健太「僕は電話しながらガッツポーズですよ、よっしゃ!って(笑)」
中途「他の4人も首を縦に振りましたし」
――歌詞もライヴの光景が描かれていて。今作までの3年半、F.I.Bがライヴを大切にしてきた思いが、歌詞にも曲にもキラキラと表れていると思いました。
中途「前のインタヴューで、自分らはマイペースで、最終的には何でもポジティヴに受け止められるって言いましたけど、何も考えていないわけではないんですよ。自分らの生活における一本のライヴの大切さもリアルになってきているし。このご時世で、やりたいことをやれているわけだし、みんなもそういうことに、もっとチャレンジしてもいいんじゃないかって意識で書いたところはありますね。音楽だけに限らず、自分のやりたいことに貪欲になってもいいんじゃないかって、僕は最近余計に思うので」
――それは、ステージの上に立つことを自覚して、キッズを引っ張っていこうという意識の高まりによるもののような気がしますね。
中途「あぁ、そこの変化は今まででよりも強く提示したかったですね」
――うん、強く出てると思います。
健太「俺もそう思う!」
《5.Trip》
――この歌詞もバンドストーリーなのかな、と思いましたが。
中途「僕、楽曲の受け取り方も、歌詞の受け取り方も、10通りあっていいと思うんですよ。歌詞を聴いてポジティヴになる人もいれば、感慨深くなる人もいれば、それぞれだと思うし。だから、あくまで僕のイメージの話なんですけど……今まで一緒にバンドの世界でやってきた奴らが、京都の中でも、年々減っていっているんですよね。それがダメだと言うつもりはないんですけど、そういうことも振り返ってみて……なんちゅうんすかね、楽しいばっかりでもなかったなって(苦笑)。最終的に今、周りにおる奴らの有難味とかも感じながら書きましたね」
――あと、歌がクリアに聴こえます。
中途「あぁ、テンション的に、Aメロとかはメロディが前に出るイメージは僕もありますね」
――F.I.Bは速くて激しいだけじゃないことがわかる曲というか。
健太「そうですね。僕もそこは持ち味やと思ってます。この曲に関しては、ほんまにメロディを意識して……今までやと、単純に自分の思う気持ちいいメロディを追求する感じやったんですけど、オムニバスの曲をレコ―ディングしたくらいから……言うのが気持ち悪いんですけど(笑)、こいつの声で聴きたいメロディを書こうっていう意識が出たんですよね」
中途「気持ち悪い言うな!(笑)」
健太「だから、今までのミドルテンポの曲とはテイストが違うと思います」
中途「ああ、そやね。ありがとう」
――言い方がさらっとしてるなあ(笑)。
《6.Burn Down》
中途「これは最後の最後に曲順が変わったんですよね。元々この位置は、『Do It More Fool』だったんです。曲順はメンバー4人とピザ・オブ・デスにお任せしていたんですけど、ここだけ、もうちょっと攻めれへんかなって思ってたんです。そうしたら、みんな思ってたことは一緒だったみたいで、この曲順で返ってきたんです」
健太「まさにこの(インタヴューをしているピザ・オブ・デスの)部屋で話していました(笑)。マスタリング前の音源を延々流して、一旦この位置は『Do It More Fool』に決まったんですよ。で、リーダー(中途)に送って。でも、一日置いてもう一回聴いたら、全員一致で入れ替えた方がいいんじゃないかっていう話になったんですよね」
――ここでこの爆発的な曲が入ることによって、コントラストがつきましたよね。
健太「めっちゃ怒ってたもんな、社会に対して」
中途「怒ってないよ!(笑)」
健太「レコーディングの歌録りの時に、僕は歌詞を見ながら聴いてるんですけど、わりと最初から、こういうふうに歌うねん俺はっていうイメージがあったみたいで、早いこと進んだんですよね」
中途「早すぎるから、俺、大丈夫なのかなって思った。健太が聴いてないんじゃないかなって(笑)」
健太「あまりにもハマってるから、俺もテンション上がってきて、煽りまくって、『ええねえ、怒ってるね!』って(笑)。そしたら、歌い終えた途端に、『お前ちゃんと聴いてないやろ!』って言われました(笑)」
中途「結構、健太は録りに厳しいんですよ。ピッチとか。ですけど、この曲は何も言わへんし、適当になってきてるんちゃうかって(笑)」
――(笑)。歌うイメージが沸きやすかったんですか?
中途「あんま意識はしてないんですけどね……よく練習したのかなあ? 口づさんでたというか」
――やはり、アルバムの中に、こういう怒りの塊のような曲は欲しかったんですか?
健太「なんか、図太い曲……マイナーコードの曲は欲しいなと思っていて。もう『Cast Off Your Tinsel Lie』ができている時に書いたんですけど、サビでちょっとゴツいだけではない曲にしたいなと思って書きました」
――歌詞もストレートですよね。
中途「そうですね。初めて聴いた時に、真っ直ぐな歌詞を書きたいなって。楽曲的にも、拳がガンガン上がる光景を生みたかったし」
――はっきり、政治に関して言及していますが。
中途「元々はパンクロックって、そういうことを歌ってきたと思うんですよね。今の時代は、いろんな受け取り方や表現の仕方はあって当然だとも思うんですけど、自分らが何で今こういう音楽をやってるかっていうところで、聴いてきたものを踏まえた上で歌詞を書きたいと思ったところはあります」
――歌わずにいられない時代であるとも思いますしね。
中途「そうですね、確かに」
《7.I’ll Stay By Your Side》
――歌詞も曲もパーソナルな響きがあって、新鮮でした。
健太「そうかもしれない」
中途「僕の歌詞のイメージは、強さばっかりやとボロが出ちゃうのが僕なんで(苦笑)、一人間として浮き沈みがある中で、強さじゃない部分も見せられる人に対して思っていることを書きました。曲としては、Aメロからでサビっていう展開で。Aメロのテンションは静かな感じやと思うんですけど、サビでバチンて速くなるっていう。結構あるパターンやと思うんですけど、自分らでやるのは初めてなんで、ライヴでどういう感じになるか楽しみですね」
《8.So We Can Claim》
――痛快なファスト&ショートチューンですね。
健太「わりと曲も揃ってきた段階にできたんですけど、ずーっと家でギターを弾いていて、煮詰まってくると、だいたいイントロのフレーズを一人で弾き倒して、はっちゃけてる時があって。むちゃくちゃ気持ち悪い絵面なんですけど(笑)。その中から、スカっとした曲を入れてもええんじゃないかなって。全編を通してゴリっとさせるより、途中で綺麗なメロディがきてハッとさせるようなことをやれば、短い曲でも僕ららしさが出るんじゃないのかと思って書きましたね。ただ、長くせえへん?って話もあったよね(笑)」
中途「あぁ、曲的にサビのメロディが一回で終わっちゃうのが勿体ないと思って、ショートチューンじゃなく、がっつり仕上げてみいひんか?っていう話もして」
健太「最終的には、こっちの方がいいって言わせてもらいました。どっちがよかったかわかんないですけどね、僕自身も。でも、頭捻ってる段階で出てきていた長いものと、完結している短いものを秤に掛けると、短い方が綺麗に聴こえたので」
中途「あと、この曲、いろんな人に参加してもらって。メインヴォーカルも、僕らの仲間のMEANINGのHAYATOが歌いに来てくれて。コーラスでは、THINK AGAINとか、京都の先輩のKiMとか、DRADNATSのヤマケンくんとか、いろんな人らが歌いに来てくれて。嬉しかったです(笑)」
――歌詞はシリアスですよね。
中途「そうですね。テーマとしては、原爆などについて、日本人として言えることがあるんじゃないかって思ったところだったりします。自分自身は経験してなくても、授業で学んできたし、広島や長崎という場所があるし、恐怖を経験している国に住んでいるわけで、発信できることを強い姿勢で出したいなって思いました」
《9.Answer》
――あらゆる曲が入っている今作の中でも、特に異色な一曲です。
健太「そうですね」
中途「これ、初めて合わせた時にみんなハテナマークでしたもん。これ、2ビートにせえへん?って言ったりして(笑)」
――アイリッシュっていうのは、狙ったんですか?
健太「完全に狙いでした。そういう曲をやりたいと思って。僕、『パイレーツ・オブ・カリビアン』が大好きで、そのテーマソングを一人で、ギターを6本も7本も重ねてMTRで遊んでいて……めちゃくちゃネクラな遊びですけど(笑)。ハモリにハモリ倒しているうちに、頭の中のイメージとか、手癖がそういう寄りになっていて、この曲が自然に出てきたんですよね。そこで、こういう曲はやったことないし、やりたいと思ってみんなで合わせたら、これどうなん?って言われて(苦笑)」
中途「でも、僕、凄くほっとしたんが、アイリッシュを狙ったんですか?って言ってもらえて。変なふうに受け取られたら嫌だったから」
健太「ただ、こういう曲って、だいたいハッピーじゃないですか。僕は、F.I.Bでそれはやりたくなくて、逆に渋くしようっていうのはめちゃめちゃ意識しましたね」
中途「うん、こういうテンポだからこそ、クールに見せたかったんですよね。ハテナマークが浮かんだ時は、まだサビができてなかったんだよね。サビができてからは、そういう懸念もなくなりました。最終的にはギターのハモりとかで、ハードロック路線も出てきて」
健太「レコーディングに入るひと月前くらいに、JJ(G)が家に来て、この曲の確認していて、あいつがイントロを弾いている時に、面白がって僕がギターでハモったんですよね。それが、お互いに生音で弾いていたんですけど、響きも素朴でいいじゃないの!ってなって。ただ、歪んだ音で聴くのが、レコーディングが初めてだったんです。あいつが弾いてるのを聴きながら、ちょっとだけ笑うてしまいました(笑)。こんなことになるんや!って」
中途「僕なんか、録りの時までこうなるのを知らなかったんです。どうやろ?って言われて、いや、入れるべきでしょ!って(笑)」
健太「最終的に、僕の想像とは全然違う響きになりましたね」
中途「うん、はじめから大きく変わった部分はないんですけど、違う色に落ち着いたよね」
――無理して幅を広げた感じもせず、ちゃんとF.I.Bらしく聴こえてきますしね。
中途「最終的に特徴のあるメロディを考えてくるんで、僕の中でもまとまったりするんですよね」
――歌詞も、ポジティヴだけど思わせぶりで。
中途「他の曲もそうやけど、一曲一曲振り返ると、10年間経験してきたことが出てるなあって。まぁ、歌詞については、さっきも言ったけど、いろんな受け取り方をして欲しいから、あんまり深く語りたくはないんですよね」
――だから思わせぶりに聴こえるのかも。
中途「そうかもしれないですね(笑)」
《10.Do It More Fool》
――これはライヴがイメージしやすい曲ですね。Aメロでハンドクラップが起きそう。
健太「あぁ、なるほど」
中途「俺、そのイメージなかったんでやってみます(笑)。この曲はできるのがめっちゃ早かったよね。こういうの作ってみてん!みたいな(笑)」
健太「このタイトルだし、聴けばわかる奴はニヤっとすると思うんですよね(笑)。僕はそこを……狙ったわけじゃないんですけど、単純にやりたかった。この曲はそれに尽きますね。ほんまに、僕らが聴いてきたメロコアって、特にどうサビがあるわけでもく、サーッと流れていく感じだったし、そういう曲を作りたかったんです」
中途「そやね。俺らが、こういうバンドしたいねん!って聴いてたような曲を、自分らでやってみようっていう」
健太「うん。この曲は、一番僕発信でライヴのことを考えて書いた曲かもしれません。他の曲は、聴かせてから、ライヴでどういう光景が見たいからこういうアレンジにしようっていう提案を、リーダーからされたりしますけど」
――歌詞もライヴのイメージが沸きますけど。
中途「でも、ライヴをイメージして曲を書いたっていうのは、今、初めて聞きました。バンドをやっていると、発想が一緒になってくるんでしょうね(笑))」
《11.Get Back》
――これぞ、熱く力強いF.I.B節という曲ですね。
健太「アルバムの真ん中に来る曲を模索している段階で、これやろ!って思って書きました(笑)。とにかくサビで力強いメロディを持ってきたいと思って」
中途「僕も、聴いた時にF.I.B節だと思ったんですけど、サビのアプローチは今までと違っていて。こういう曲でも、サビは凄く繊細に作ってくるのが今までの流れでしたけど、そこを強く書いてきたなって」
――歌詞にも、強い意思が籠っていますよね。
中途「そうすね。そういうイメージで書きましたね」
《12.Strings》
――こういう曲があることによって、アルバムが聴きやすくなるんだろうなって。
中途「うん。健太から、マイナーコードのミドルテンポの、こういうテンションの曲って、どんだけでも出てくる感じがするんですよね(笑)。また、そのメロディが気持ち良かったりするんで。僕、初めて聴いた時に、めちゃめちゃ好きやわって言った記憶があります(笑)」
健太「だいぶ前からあったもんね。トータルが出来上がったのは後やったんですけど。実は、この曲のイントロって、元々は『FIGURE』に入れた曲のイントロだったんです。結局、その曲は違うイントロになったので、使わへんかったイントロを持ってきたんですよね。ギターのフレーズやコード進行は、まんまで。『FIGURE』の……」
中途「どの曲かは内緒にしておいた方が面白いんじゃないの?」
健太「そやね(笑)。で、一曲がつっとじゃなく、そっからスタートさせて、後にいくにつれて曲が構築されていくイメージで作りましたね」
中途「だから、ライヴで楽しみですね。イントロから『FIGURE』の、その曲に繋げることもできるし。やっていくうちに、どっちの曲がくんのやろ?ってツアーの後半には思われるようになるのかなって。なかなか変わった出来上がり方やと思います」
健太「どういうサプライズを起こせるのか……上手いな、俺(笑)」
《13.Beginning Sign》
――優しいイントロから、みずみずしい本編に雪崩れ込んでいく、終盤に相応しいドラマティックな曲ですね。
中途「この曲が、前回のインタヴューで言っていた、ピザ・オブ・デスとの打ち合わせでできた曲です」
健太「それがなかったらこれはできていなかったです。もっとお前のやりたいことをやりまくった一曲を作ってみたらどうかと言われて、制限を全部取っ払って書いた曲なんです」
――なるほどね。歌詞もシンクロしていて、ピュアな感じが全面開放されていますもんね。
中途「素ですね。打ち合わせしなくても、繋がるところは一緒なのかな(笑)。結局一つのことが終わっても、またすぐに何かがはじまるなってずっと思ってて、それが楽しかったりするっていうことを歌っています」
――後半にグッと変わる歌もよかったです。
健太「そのへんも、思ったことをそのままやってやれと。ギターもややこしいけど、今までとの繋がりや、ライヴのことも考えずに作りました」
中途「だから、細かく聴いてもらうと、余計に面白いと思います」
《14.For All Time》
――最後は、スカッと抜けて終わっていくような印象を受けました。
中途「健太にも、歌詞的にも最後でいいんじゃないかなって言われましたけど、歌詞は、流れを全く気にせず書いたんですよね」
健太「僕も、曲を最後と思って書いたわけじゃないんですよ。これは、『Story』の位置に入るような曲を、頑張って捻り出している時に書いた曲なんです。いいメロディで、真っ直ぐなメロコアをっていう。でも、できあがって他の曲も揃ってから聴いてみると、これで締めるのが一番、綺麗なんじゃないかなって」
中途「曲の立ち方も変わりましたね。最後に持ってくることによって、より成り立ったっていう」
――最後も似合うけど、歌詞も相俟って、続いていく余韻も残すんですよね、この曲。
中途「結局は自分次第やなって。それは、これからも変わらへんし。自分がどういうふうにするかで、見えるもんが変わってくるやろうなって。やし、このアルバムって、先が見えた上で成り立ってたりするんかもね」
健太「かもしれんね」
photo by yuji honda